月別アーカイブ: 2011年7月

台風6号接近中!

台風6号の影響で、本日12時30分、兵庫県阪神地区に暴風・波浪警報が出されました。
そのため、ポートアイランドキャンパスでは 午後の授業はすべて休講となり、学生さんたちも急ぎ帰路につきました。

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(今月に「ポートアイランド南」駅から改名された「京コンピュータ前」駅に向かう学生たち。ポートライナーが運行している間に帰らないと、ね。)

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 (こちらは、マイラボから去る間際の学生たち。)

一体、何をはしゃいでいるのか、というと・・・「今朝、傘がワルデン反転しました!」という話題で大盛り上がり。
umbrella_inversion
(傘の反転のイメージ図)

ワルデン反転は、ちょうど先日のキャッチアップセミナーで復習したところだそうで、「身をもって理解しました。試験に出して下さい!」・・・ それは、どうかな・・・。

ちなみにワルデン反転というのは、 有機化合物のある官能基(下の絵のL)が別の官能基(下の絵のNu)に置き換わる際、しかも、Nuが結合しつつLが離れつつという過程を経てこの反応が起こる際、傘が反転するように分子の立体化学が変わること。ちょうど、キャッチアップセミナーで、村嶋先生が傘の絵を描いて説明されていたそうです。

Walden

たしかに、反応前(starting materials)と反応後(products)を比べると、炭素原子(C)まわりの3本の結合が反転してますよね! 


大学院生の研究発表

昨日は、大学院の修士2年生と博士3年生の研究発表がありました。
「ナノバイオ研究演習2」「ナノバイオ研究演習5」という大学院の修士課程、博士後期課程の必修単位です。

これらのナノバイオ研究演習は、現在、自分たちが取り組んでいる修士論文研究、博士論文研究が、社会的にどのような意義があり、類似した研究はどのように行われていて、どこに自分の研究の新規性や独創性があるのか、また、それによって得られた成果が将来的にどのように活かされるのか、プレゼンテーションするものです。当然のことながら、研究者として、将来活躍するには不可欠な能力となります。

ナノバイオ2

発表は朝から夕方までありましたが、聴講は自由でしたので、多くの大学院生、学部生も聴講にきていました。日頃、いろいろな話をしている大学院の先輩たちの研究内容もこういう形で聞くとよくわかるものです。学部生にとってみると、卒業研究や大学院の修士論文研究、博士論文研究というのは、まだまだ先のイメージがあるかも知れません。ただ、4年生になれば全員が取り組むことになります。1,2年生もそんな遠くない将来に、3年生にとってみれば、来年に取り組むこととなります。

大学院の必修科目の成績評価にも関わるということで、教員からの厳しい質問も飛び交い、会場はやや緊張した空気もありましたが、自分たちの研究を説明しようとするプレゼンテーションや厳しい質問にも必死に回答しようとする大学院生の受け答えの中から、何かしら学びとってもらえればうれしいところです。

がんばれ、未来の研究者たち。


オープンキャンパス(在学生によるイベント)

夏のオープンキャンパスまで、あと3週間となりました。

夏のオープンキャンパスは、8月6日(土)、7日(日)の2日間、開催します。フロンティアサイエンス学部でも、学部の魅力を発信するさまざまなイベントを用意しています。
(イベントの一覧はこちら。また、「遺伝子暗号の謎を解け」「実験体験講座 化学編」の内容については少し詳しく紹介しています。)

 特に、「在学生と話す機会があったのが良かった」というこれまでの声を参考に、ポートアイランドキャンパスでは、

 ☆ 1,2年生による学部紹介
 (春のオープンキャンパスでは2年生の二人が学部紹介をしました。こちらこちら。)

 ☆ 3年生による研究紹介
 (これは初のイベントです。研究以外のことでも何でも聞いてみて下さい。)

などを用意しています。これらのイベント以外にも、案内スタッフや実験補助スタッフなどの学生もいますので、ぜひ、積極的に話し掛けてみて下さいね。


節電、その結果は!?

みんなで協力して節電に取り組んだ結果、ポートアイランドキャンパスでは、7月1日 ~ 13日の2週間、ピーク時電力10%削減をパーフェクト達成しました!(つまり、目標電力値を上回ってしまった日はありませんでした!)

いやー、暑いのを我慢しましたからねえ。よかったです。

PIキャンパス消費電力

上のグラフが或る日の結果。青の横線が、目標であるピーク時電力を10%削減した値です。やはり気温の高い午後2~4時頃には消費電力も大きくなっていますね。

これからますます暑くなりますが、ポートアイランドキャンパスのみなさん、9月末までの全期間パーフェクトを目指して頑張っていきましょう!


2年生の実験風景

先週の2年実験の様子を画像でご紹介します。

こちらはナノ実験。シリカゲルクロマトグラフィーで、自分たちで合成した色素化合物を精製しているところです。 

colunchromato3
columnchromato2

カラム(ガラス製の筒)の中には、シリカゲルが充填されています。ちょっと化学的な話になってしまいますが、シリカゲルの表面にはヒドロキシ基(-OH)という枝のようなものが生えています。ヒドロキシ基(-OH)は構造が水(H-O-H, エイチツーオーですね)に似ていることもあって、少し水に近い性質をもっています(親水性といいます)。そこで、複数の物質からなる混合物がこのカラムを上から下に流れていく際、水に馴染みやすい物質はシリカゲルとも良く馴染み「なかなか下に落ちてこない」、また、水に馴染まない物質(疎水性の物質)はシリカゲルとも馴染まないので「早く下に落ちてくる」という具合に分離されていきます。
(高校生で化学を選択されている方は、水素結合を形成しやすいかどうかという観点から分離の原理を考えてみて下さいね。)

columnchromato1

これはきれいに分離できていますね。シリカゲル充填や試料導入の操作が良かったのでしょう。
下はバイオ実験の様子です。画像のみ掲載しておきます。

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bio1107-1

前期期間も残りわずか。実験のレポート作成や前期末試験をクリアすれば、学生さんたちは夏休みです。下宿生の多くはご実家に帰省されて、リフレッシュされることでしょう。また、アルバイトや旅行で予定が詰まっている方もいることでしょう。

よく誤解されるのは「大学の先生って、夏休みは休みなんでしょ?」ということ。
とんでもありません。授業こそありませんが、研究室での研究活動は走り続けていますし、高校生や高校の先生対象の実験講義や模擬講義などもあり、普段にも増して忙しいくらいなんですよ。