夏期オープンキャンパス 実験体験講座のご案内(2)

前回に引き続き、夏のオープンキャンパスで実施する実験体験講座のご紹介。今回は『化学テーマ』です。

 

さて、ビーカーに水が入っています。

その水にグルコース(ブドウ糖)が溶けているかどうかを、機械・装置は使わずに調べなさい、と言われたらあなたはどうしますか?

45812061 - lab flask on white background

 

舐めてみる? 正解。

においを嗅いでみる? うーん、グルコースは無臭ですね、残念。

水を蒸発させて固体が残るかどうか確かめる? 正解。

指につけてねちゃつくかどうか調べる? 濃ければわかりそうですね。

 

これらはいずれも、五感に頼った方法ですね。非科学的な感じがするかもしれませんが、五感はとても優れたセンサーなので、どれもすばらしい方法です。

ただ、固体が残ったり粘性が高かったりしても、それがグルコースだと断定することはできません。

また、触ったり舐めてみたりするのは、危険を伴う可能性がありますので、できれば目で見るだけで判断したいところです。

化学が得意な方は「フェーリング反応」「銀鏡反応」など、見た目で判断できるにわかりやすい変化が起こる反応を思いつかれたかもしれません。

ただ、これらの反応も・・・グルコースの還元性を利用しているので、変化が起こったとしても、水に溶けているのがグルコースなのか他の還元性物質なのかは判断ができません。

そこで、酵素です。

酵素は基質特異性といって、特定の物質(基質)とのみ反応するという性質をもっています。この性質を利用して、特定の物質(基質)があるかどうか、その濃度はどのくらいか、を調べることができます。

つまり、酵素に「色がつく」反応をやらせてみれば、「色がつけばグルコース(基質)がある」と判断できるわけです。

実験体験講座ではこのような原理で、グルコースの濃度を「色」や「光」で調べる実験をしていただきます。

実際の診断(血糖値)や食品分析にも使われている方法です。

化学テーマ「酵素反応を色で視る『食品分析・医療診断技術』を体験!」、ぜひご参加下さい。

(夏期オープンキャンパスは7月16日(日)と8月6日(日)に開催します。)

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(画像はイメージです。)

35266369 - luminescence16174235 - rice plant

(時間に余裕があれば、玄米など、食品中のグルコースも分析します。)


夏期オープンキャンパス 実験体験講座のご案内(1)

甲南大学の夏期オープンキャンパスは7月16日(日)と8月6日(日)に開催!

ここポートアイランドキャンパスでも、フロンティアサイエンス学部(FIRST)の魅力を知っていただこうと、いろいろなイベントを用意しています。

さて、その中でも、「FIRSTでの学びを体感したい!」という方にぴったりなのが、実験体験講座。

実験体験講座は『生物テーマ』と『化学テーマ』を用意。どちらも2回開講(午前・午後)しますので、例えば午前は『生物テーマ』、午後は『化学テーマ』と、両方を体験していただくことも可能です。

 

生物テーマ「遺伝子やタンパク質の分析技術『ゲル電気泳動実験』を体験!」

17766138 - loading of pcr samples in numbered plastic tubes27752010 - woman hand loading samples into  gel for electrophoresis17117219 - build a gel electrophoresis chamber21361915 - scientist checks results of western blot experiment

(画像はイメージです。)

 

ゲル電気泳動は、遺伝子やタンパク質の分析をするには欠かせない実験技術ですね。詳しくはこちら(ゲル電気泳動の学生実験)をご覧ください。

 

化学テーマ「酵素反応を色で視る『食品分析・医療診断技術』を体験!」については、次回ご紹介しますね。


リクエストボード

甲南大学生協ポートアイランドキャンパス店の一角にある掲示板。

” ひとこと お聞かせください ”

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「○○が好きなのでぜひ店に置いてほしい!」といった学生からのわがままリクエストと、それに対する店長(女性)からの心のこもった回答が楽しい、FIRSTの名物(?)掲示板です。

そんな掲示板に、ちょっと変わった「もの」を売ってほしい、という要望があったようです。

bulletinboard2


毎週火曜は1年実験の日(2)

(「毎週火曜は1年実験の日(1)」から続く)

 

今日紹介するのはナノバイオ・テーマの「滴定実験」。

高校生や受験生のみなさんは、滴定というとビウレットを使って、フラスコやビーカーの中に酸性や塩基性の溶液をポタッポタッと垂らしていく様子を思い浮かべると思いますが・・・

この実験ではマイクロピペットという数十マイクロリットルの液体を正確にはかり取れる器具を使います。

トリプロファン(アミノ酸)の溶液に、タンパク質の溶液を少しづつ加えていき、UVスペクトルの変化を観測します。

*UVスペクトルとは?・・・すごく簡単にいうと、試料が「どの波長」の紫外線を「どのくらい」吸収するか、をグラフ化したものです。

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(コンピュータ画面でUVスペクトルを確認します。横軸が波長、縦軸が「どのくらいその波長の光を吸収したか」を表しています。)

 

詳しい原理は大学で学んでいただくとして・・・、このスペクトルの変化から何がわかるかというと、トリプトファンとタンパク質の結合の強さを見積もることができます。

ある物質と別の物質が結合するという現象は、生命化学の中のどんな分野でも基本となる、とても重要な現象なんです。

例えば、創薬分野なら、「薬分子」が「タンパク質や核酸」と結合して効果を発揮するわけですから、その強さは薬の性能と深い関係があります。

診断分野でも、体の中の「疾病マーカー」(病気の時に濃度が変動する物質)と結合して色が変わるといった「診断試薬」が使われたりします。当然、疾病マーカーとの結合がある程度強くなければ、診断試薬として役に立ちません。

この実験は、このような「結合の強さ」について意識して考える習慣を身につけ、それを調べる実験・解析の原理と方法を学ぶことを目的としています。

 

さて、このマイクロピペットを、実際に使ってみたいという高校生・受験生の方はいらっしゃいませんか? フロンティアサイエンス学部の夏のオープンキャンパスの「実験体験講座」でマイクロピペットを使うことができますよ!

 

実験体験講座1・生物テーマ

「遺伝子やタンパク質の分析技術『ゲル電気泳動実験』を体験!」

実験体験講座2・化学テーマ

「酵素反応を色で視る『食品分析・医療診断技術』を体験!」

 

それぞれ午前・午後の2回開講ですので、ご都合の良い方にご参加下さい。おすすめは、午前と午後(生物と化学)の両方に参加すること。学部の専門分野についてよくお分りいただけると思います。

 

プログラムの詳細は、決まり次第、このブログや大学ホームページで公開します。


学生さんの受賞 〜Chromatography Outstanding Student Paper Award〜

第24回クロマトグラフィーシンポジウム(主催:クロマトグラフィー科学会、東北大学医学部開設百周年記念ホール、6月14日〜16日)にて、フロンティアサイエンス研究科修士課程2年の野上晴加さんが「Chromatography Outstanding Student Paper Award 2017」の表彰を受けました。 

なお、発表論文は「Nicotine-selective Polymeric Adsorbent Obtained by Molecular Imprinting with Excess Use of Itaconic Acid」で、農作物や環境中に残留している農薬などの汚染物質を、低濃度まで正確に分析できるよう、簡便に濃縮することができる高分子材料に関する内容でした。

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(東北大学医学部開設百周年記念ホールにて)