月別アーカイブ: 2011年6月

夏のオープンキャンパス(イベント予告)

8月6日(土)7日(日)の2日間、夏期オープンキャンパスを開催します(2日間の内容は同じです)。このブログでも紹介しているポートアイランドキャンパスを直接ご覧になるチャンスです。また、下のようにさまざまなイベントも用意しております。ぜひお越し下さい。

welcome

1.学部説明
  教員がFIRSTの学びや研究の内容・特徴について説明します。
2.在校生による学部紹介
  在校生が学生生活についてご紹介します。
3.入試対策講座
  過去問(理科)の解説をもとに、傾向と対策をお話します。

4.キャンパスツアー
  マイラボなどの教育設備や最先端の研究設備をご紹介します。
5.在校生による研究紹介ブース
  3年生が現在行っている研究内容を発表いたします。
6.個別相談ブース
  入試のこと、学習のこと、研究のこと、何でも聞いてみよう。

7.ミニDNA講座「遺伝子暗号の謎を解け」
  簡単な生物学の勉強の後、キャンパスのシンボル・巨大DNAモデルに隠された
  暗号を解読しよう。
8.実験体験講座(生物学編)
  細胞を見る! 自分の細胞を染色して核やミトコンドリアを見てみよう。
9.実験体験講座(化学編)
  化学反応を見る! 化学発光を利用して玄米の鮮度を測定してみよう。

各イベントの詳細やタイムスケジュールは、このブログでも順に紹介していきます。
(まとめた情報はホームページにも掲載する予定です。)

なお、上記はポートアイランドキャンパスのイベント内容です。岡本キャンパスでのFIRSTに関するイベントは「学部説明」「入試制度説明」「個別相談ブース」「8学部合同講義」の予定です。


ピア・レビュー

今日は、研究発表のしくみについてご紹介します。

研究者は、研究の成果を公開しなくてはなりません。それは、税金などの公金を使って研究をする者の義務であるとも言えます。もし、自分の私財を投げ打って研究をするのであれば、「公表はしない。趣味でやってるだけだから。」という主張も通用するでしょうが、そんな人はまずいません。(私財を研究に投じる人はいますよ。有名なのはスーパーマン役の故クリストファー・リーブ氏ですね。落馬事故で首から下が不随になって以降、脊髄研究や再生医療研究に多額の寄付をしています。カリフォルニア大学アーバイン校には同氏の名前を冠した麻痺性脊髄損傷の研究所もあります。)

公表のもう1つの理由は、その成果を他の研究者や産業界などに役立ててもらうためです。どれだけ価値のある研究成果であっても、人目に触れなければ活用されることもありませんからね。

さて、本題ですが、では、研究成果を発表しようとする際、公表する「価値」があるか否かはどのように評価されるのか? といいますと、多くの場合、研究者が互いに評価し合うシステム(ピア・レビュー)が採られています。例えば、論文を書いて科学雑誌に投稿する。その論文を、同分野の研究者たちが、新規性や独創性などについて評価をするわけです。ピア・レビューを経ずに論文を掲載する雑誌もありますが、それは内容について何の保証もしていないわけですから、そのような論文は、私たちはあまり信用もしませんし、評価もしません。だって、極端な話、大学1年生の実験レポートだって掲載させられるわけですからね。

さて、以前に、あるインターネットジャーナルで、三好先生がこのピア・レビューの審査委員長のような役(Editor)をしていますよ、ということを紹介しました(そのときの記事はこちら)。今日、紹介する内容は、ある研究者の論文の内容について三好先生がコメントを求められ、そのコメントがアメリカ化学会会報誌(Chemical & Engineering News)に掲載された、という件です。新聞の科学記事によくあるような「○○に詳しい○○大学○○先生の話:この研究は○○という点で意義深い ~~~  今後、○○につながる可能性もあるのではないか。」というようなコメントですね。

内容はこちらです。(アメリカ化学会ですから、英語です。)


学生と教員の距離

FIRSTの良いところの一つとして、学生と教員の距離感が近いという声をよく聞きます。

「大学の先生って話しにくいと思っていた」私も学生の時はそうでした。
学部生の間は、大学の先生がどの建物のどの部屋に居られるかすら知らなかったような気がします。知っていたとしても、ノックしにくい重厚なドアがあり、よほど重要な話がない限りは先生のところを訪れるなんて考えたこともありませんでした・・・。

では、なぜFIRSTの先生は話しやすいのか? 我々なりに解析してみました。

その1:「教員の平均年齢の低さ」
FIRSTには15名の専任教員がいますが、その平均年齢は約40歳と低いことが挙げられます。比較的
学生に年齢が近いからでしょうか?(そうは言ってもだいぶ離れてますね・・・)

その2:「入りやすい教員研究室」
教員の居室はガラス張りとなっており、教員がいるかどうかは廊下から見て一目瞭然。マイラボからフラリとやってきて、ガラス越しに先生の様子をうかがい、先生があいていそうであればすぐに質問に行くこともできます。

教員居室
(鶴岡先生の居室を廊下から写させてもらいました)

その3:「マイラボの存在」
教員のいる研究ゾーンと学生がいるマイラボは、ドア1枚を隔てた距離にあり、教員が講義や食事などにいく時には、必ずそのフロアのマイラボを通るように動線が設計されています。この動線によって教員と学生が接触する機会が増えます。
「今日の授業わかった?」「朝早くから頑張ってるね!」「おはようございます!」「先生、髪型変えたんですか?」 何気ない会話で距離も近づくのでしょうか。

その4:「1年次から専任教員が学生を教育」
一般的な大学のカリキュラムでは、1年次には非常勤の先生が教養教育をするため、専任教員と接触する機会は非常に少ないですが、FIRSTでは「研究がしたい」「研究者になりたい」という目的をもって入学した学生さんの希望に応えるため、1年次から専任教員が専門科目を教育しています。
学部1年生でも、教員の講義を聞き、質問に行って話す機会はたくさんあります。最初から知っていたらいろいろ話せることも増えますよね。

その5:「指導主任面談」
以前に紹介したように、FIRSTでは年に2回、指導主任面談が用意されています。自分から声をかけにくかったとしても、面談で仲良くなれば、話しやすくなりますよね。

いろいろと挙げましたが、何はともあれ、フレンドリーに話しかけてくれる、偉ぶっていない等身大の教員が多いのが一番なのかもしれません。

以上、教員による勝手な分析でした。

正解はオープンキャンパスなどで学生さんに聞いてみてください。


今週の2年生実験

以前にも紹介しましたが、2年生のナノ実験、その中でも有機合成に関する実験のテキストは英語で書かれています。これは将来(といっても2年生にとっては1年後)、研究に近い実験をするときに(つまり未知の事柄にチャレンジするときに)、参考になるのは教科書・参考書の類よりも、論文であることが多いからです。で、論文というのは、多くの人の目に触れるように英語で書かれていることが多いわけです。

question2

さて、今日はちょっと趣向を変えて、問題形式。下の画像の操作、テキストのどの部分に相当するでしょうか?

question1
question3

英語が得意な方、化学に興味がお有りの方、ぜひチャレンジしてみて下さい。このブログをご覧の高校生のみなさんは、夏のオープンキャンパス(8月6日,7日)の際にポートアイランドキャンパスにお越しの上、正解をお申し出いただければ良いことがあるかも!?

下はバイオ実験とナノバイオ実験の様子です。

bio0621
(実験内容について確認中。実験を始める前に完全に頭に入っているとよいのですが 。。。)

nanobio0621
(紫外可視スペクトルを測定して、合成したペプチドの収量を調べています。)

スパコン世界一

先日「お隣はスーパーコンピューター」で紹介した次世代スーパーコンピューター「京」が、計算速度の世界ランキング1位に認定されたそうです。ランキング2位は中国・天津にある「Tianhe-1A-NUDT TH MPP」で、「京」のおよそ3
分の1の性能となっているそうです。また、「京」の完成予定は2012年11月だそうで、まだ途中段階で1位となるって・・・完成したら・・・。期待は膨らむばかりです。

FIRSTがポートアイランドに新設された当初は、周りの企業様も少なく「京」が隣に建設されたことをとてもうれしく思いました。それもあって、ランキング1位というニュースは自分たちのことのように感じてしまいます。

「京」の世界最速の計算速度を利用して、太陽光発電のための新材料開発や、防災計画の精密な気象予測や地震・津波影響予測などの幅広い分野での活用が期待されているそうです。

やっぱり世界1位でないとダメですよね。