月別アーカイブ: 2011年10月

今晩はハロウィン

週末には各地でハロウィンのパーティやイベントが行われていましたね。先週紹介した、甲南大学体育施設のある六甲アイランドでも、野外特設ステージで甲南大学JAZZ研究会の演奏がありました(サックス上手過ぎ!)。  あと、SPEEDの今井絵里子さんも歌っていました。

そのハロウィン、正式には、今日10月31日の夜ですね。

さきほども、お菓子狙いの1年生が研究室にやって来ておりました 。。。「でも、仮装してないしなあ・・・、Trick or Treatとも言わないし・・・」と思っていたら、いたそうです。昼のマイラボに、仮装している学生が。

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(レポート作成か勉強のじゃまになっているのか、ちょっと困っている?後輩たち)
ハロウィンが終わると、 ハロウィン発祥の地であるヨーロッパは暗い冬。11月は本当に何もない月で、クリスマスを指折り楽しみにしていないと、気がめいってしまいそうな月ですが、日本の学生さんにはその前に学園祭がありますね(さらにその前にはC期の試験もありますが)。今年もみんなで協力して屋台を出すのだとか。楽しみにしています。


父母の会支援キャリアウィーク(2)

先週の金曜日(28日)は、父母の会支援キャリアウィークの第2回目のセミナーが開催されました。

今回は、協立化学産業株式会社より山下忠弘氏、壺内幹彦R&Dセンター長の2名をお招きし、会社概要や研究開発についてお話しいただきました。協立化学産業は、接着に関して高い技術をお持ちの会社さんです。接着と聞くと、工作などで物体と物体をくっつける接着剤のイメージが強いですが、実は液晶テレビの液晶を閉じ込めるように、電子機器にも使われていて、先端の電子機器の技術を下支えしている技術にあたります。

えっ、こんな会社の商品にも? 皆さんのよく聞く会社さんにも技術を提供していて、実は液晶ディスプレイの低価格化にもこの技術が使われていたんですね。私も知りませんでした。

1つの商品が世の中に出ていくには、実に多くの企業さんが関わっているんですね。

FIRSTでのキャリアセミナーでは、いろいろな企業の方が来られ、研究者の一日や企業の持つ技術内容など紹介いただけます。学生にとっても、教員にとってもいい勉強になります。

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明日は秋期オープンキャンパス

明日は甲南大学の秋期オープンキャンパス。

来週の「一般公開」は、文字通り一般市民向け(小学生から大人まで)のイベントですが、オープンキャンパスは高校生・受験生向けのイベントです。

われわれフロンティアサイエンス学部も、ここポートアイランドキャンパスと、甲南大学の本拠地・岡本キャンパスの2ヶ所に「個別相談ブース」を設けます。

また、ポートアイランドキャンパスでは「入試対策講座」、岡本キャンパスでは「模擬講義(生命科学が担う未来の社会)」を実施。

大勢の高校生・受験生のご来場をお待ちしています。 

詳しくはオープンキャンパス特設ページをご覧下さい。


一般公開(11/5 土)直前情報2

来週末、11月5日(土)開催のフロンティアサイエンス学部一般公開。

その当日に配付する予定の「パンフレット」を学部ホームページ News Release欄に掲載しました。
事前にご覧頂ければ、当日、気になるプログラムを効率よく回ることができると思いますよ!

「パンフレット(1.7MB)」のダウンロードはこちら
 
今回はその中から「実験体験教室(小学生から参加可能)」のテーマを紹介します。

なお、各テーマ(下のア~キ)は30-60分毎に実施され、各回に定員が設けてあります。当日、テーマ・時間別の整理券を、2F実験受付で先着順にお配りします。

【ア.見てみよう、持って帰ろう、自分のDNA!】
 口の中にある粘膜の細胞から、身近な薬品を使ってDNA を取り出します。DNA は小さな容器に入れてお持ち帰り頂けます。
<定員:各回12名> <所要時間:約40分>
<開始時間 10:20, 11:20, 12:20, 13:20, 14:20, 15:20>

【イ.ナノテクノロジーの世界を観る!】
 走査型電子顕微鏡を使ってナノメートル(10 億分の1 メートル)の世界を観察して頂きます。また、診断技術等に応用されているナノメートルサイズの超微粒子がもつ特有の性質を、簡単な実験で体感して頂きます。
<定員:各回6名> <所要時間:約30分>
<開始時間 10:00, 11:00, 12:00, 13:00, 14:00, 15:00>

【ウ.ルミノール反応で米の鮮度を分析する!】
 ルミノール反応は、事件捜査の血痕鑑定にも使われる「光る化学反応」。血液だけでなく、玄米の成分を使ってもルミノール反応を起こすことができます。光り方をよく見れば、新米か古米かを見分けることも可能です。さあ、ルミノール反応で偽の新米を見破ろう!
<定員:各回8名> <所要時間:約30分>
<開始時間 10:30, 11:30, 12:30, 13:30, 14:30, 15:30>

【エ.ゼロカロリー飲料の成分を機器分析!】
 ゼロカロリー飲料が大人気です。そこに使われているのが、甘味はあるけどエネルギーにはならない人工甘味料。砂糖の何百倍も甘いので、使用されている量はごくわずか・・・。一体、どのくらいの量の人工甘味料が入っているのか調べてみましょう。食品分析をはじめ、診断や環境分析でも大活躍の分析機器「高速液体クロマトグラフィー装置」を使用します。分析チャートはお持ち帰り頂けます。
<定員:各回4名> <所要時間:約40分>
<開始時間 10:20, 11:20, 12:20, 13:20, 14:20, 15:20>
 
【オ.シャーレの中で大腸菌を培養する!】
 寒天培地の上での細胞培養は、微生物を使う研究には欠かせない実験です。遺伝子組換え実験に使う大腸菌を実際に培地に塗り広げ、培養してみましょう。(自分の手からとった)大腸菌を「培養中」のシャーレはお持ち帰り頂けます。
<定員各回6名> <所要時間:約20分>
<開始時間 10:00, 10:30, 11:00, 11:30, 12:00, 12:30, 13:00, 13:30, 14:00, 14:30, 15:00, 15:30>

【カ.試験管を鏡に変身させる! 銀鏡反応】
 からだの中で大事な働きをしている還元反応。この反応を使うことで、銀イオンの溶液から銀を析出させることができます(銀鏡反応)。小中学生の方は、むずかしいことは抜きにして、ガラスの試験管をぴかぴかの銀でコーティングして、持って帰りましょう。
<定員各回8名> <所要時間:約30分>
<開始時間 10:30, 11:30, 12:30, 13:30, 14:30, 15:30>

【キ.細胞移植技術を体感する! ハイドロゲルの世界】
 再生医療などで欠かせない、温度感応性のハイドロゲルを使った細胞移植技術を体感して頂きます。低温では液体のように、高温では固体のようにふるまう不思議な高分子ゲルの性質にぜひ触れてみて下さい。
<定員各回6名> <所要時間:約30分>
<開始時間 10:00, 11:00, 12:00, 13:00, 14:00, 15:00> 


今週の1年実験(人工甘味料の合成)

 後期になり、1〜3年生は新しい実験・研究テーマに取り組んでいます。今日は、1年生のナノバイオ実験について紹介します。(1、2年生は、ナノ/バイオ/ナノバイオという3つの実験を、半期を掛けて順にこなしていきます。)

 1年次ナノバイオ実験の後期のテーマは「アスパルテームの合成」です。ゼロカロリー飲料に使われている人工甘味料ですね。 アスパルテームは、フェニルアラニンメチルエステルとアスパラギン酸という2つのアミノ酸からなるジペプチドです。今日、合成の初日は、フェニルアラニンからフェニルアラニンメチルエステルを合成する操作を行いました。

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 氷-食塩浴でメタノールをマイナス10℃に冷却しながら、試薬(塩化チオニル)を少しずつ加えていきます。 フラスコの真ん中から出ている白い曲がった管は、中に乾燥剤の粒が詰まっていて(塩化カルシウム管といいます)、フラスコの中に、外から空気中の水(水蒸気)が混入するのを防ぐ器具です。「水蒸気が入るのが嫌なら、栓をしておけばよいのでは?」と思われるかもしれませんが、反応に伴って塩化水素ガスが発生しますので、栓をしておくとフラスコ中の圧力が高くなって、温度計を刺しているゴム栓がピョーンと飛んだり、最悪の場合はフラスコが破裂したりする恐れがあるので、栓はできないんですね。塩化カルシウム管なら、ガスは外に逃げることができますので、そのような心配はありません。

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 室温に戻して、ドラフトチャンバー内で、来週まで撹拌しておきます。来週は、フェニルアラニンメチルエステルが生成していることを、クロマトグラフィーなどの方法で確認します。 

 文字にすると操作が少ない様に見えますが、彼らにとっては初めての有機合成なのに、空気中の水(水蒸気)の混入に注意を払ったり、温度を管理しながら試薬を添加するなど、なかなか神経を使う実験だったのではないかと思います(神経が行き届かなかった班もありましたが 笑)。来週までに、次の実験計画をノートを書いたり、反応機構を考えたりと、準備も忙しい。でも、その分、確実に成長しますからがんばってくださいね。