月別アーカイブ: 2011年10月

サイエンスライブチケット(Science Live Ticket)

さて、このFIRSTは若手教員が意見を出し合い、優れた人材を輩出するための様々なカリキュラム、システムが導入されています。今日は、そのひとつである「サイエンスライブチケット(Science Live Ticket)」についてお話したいと思います。

このFIRSTは、最先端研究を学び、次世代の最先端技術を創出する人材を育成することを前提につくられました。以前に、最先端の実験技術を学ぶFIRSTの特徴ある学生実験プログラムについてご紹介しましたが、そのような技術を身につけ、実験・研究に取り組めば、学部生のうちからすばらしい研究成果を見つける人もいるかもしれません。そして、自らの手で得た研究成果を世の中に発信するため、たくさんの研究者たちの前で発表する機会も必ず生まれます。その発表の場は、主に学会やシンポジウム、セミナーとなるでしょう。学会では、研究者たちが自分たちの発見した最新の研究成果を発表しており、まさしく研究者たちが自分たちの研究成果を披露し、熱い議論を行う場です。

優秀な研究成果を世に出すための登竜門となる学会。じゃあ、学部の早いうちから学会とはどのようなものか、どんなことが聞かれているのか、発表や質問はどれくらいのレベルなのか、知ってもらっておけばいいじゃないのか?という考えのもとで考えられたのが「サイエンスライブチケット」です。最先端を学ぶ学部なのに、最先端を知らねばどのくらいがんばらないといけないかもわかりませんからね。そのため、このサイエンスライブチケットは、設立当初からFIRSTの学びの柱の一つにも挙げられ、いくつもの企画が実施されてきました。

サイエンスライブチケットの目的は、ポートアイランドキャンパスに学会を招致し、学生さん達に参加してもらったり、学外で行われている学会に参加したりしながら、学会とはどのようなものかを早いうちから知ってもらうことにあります。学生さんは学会に参加してその雰囲気を味わったり、著名な先生の講演を聴いたり、また、場合によっては自らの研究成果を発表してもらうことも想定しています。

開設して3年、一期生たちもこれから本格的な研究に携わることになりますが、最先端の分野で活躍する人材を輩出したいという我々の想いのもとつくった「サイエンスライブチケット」が、学生さん達の成長や将来へと繫がって欲しいものです。

具体的な取り組みや成果はまた後日、紹介したいと思います。


父母の会支援キャリアウィーク

このFIRSTには、学部独自のキャリア活動を行うために学生と教員が組織するキャリア委員会があることは以前にご紹介しました。

学生が希望する様々なキャリアイベントを実現するため、今年度も学部として父母の会の支援事業に応募し、採択を受けることが出来ました。今年実施するキャリアイベントは、「キャリアウィーク」。10月から試験期間を外して毎週金曜日の午後に企業の方々を招へいしてセミナーを開催いたします。

理系職への就職を希望する学生さんにとって、就職した後にどのような仕事をすることになるのか、具体的なお話は是非とも聞いておきたいことです。そのような貴重なお話を伺えるよう、今回は営業から開発、社長にコーディネーターと幅広い理系職の方々を招へいし、お話を伺います。将来像をイメージしつつ、就活の、また人生の参考にしてもらえるとうれしいですね。

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10月21日 高尾 知宏 氏 (エーザイ株式会社)

10月28日 山下 忠弘 氏 (協立化学産業株式会社)

12月2日  奥  崇  氏 (株式会社耐熱性酵素研究所)

12月9日  狩長 亮二 氏 (プレシジョン・システム・サイエンス株式会社)

12月16日 小林 秀輝 氏 (独立行政法人産業技術総合研究所)

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夏休み高大連携企画(兵庫県立明石高校2年生)

夏休みには多くの高校生や高校の先生がこのポートアイランドキャンパスを訪れ、様々なイベントに参加されました。本来リアルタイムで書くべきだったところ、時間がなく遅くなってしまいましたが、夏休みにあった様々なイベントについて、少しずつ公開させていただきたいと思います。

8月3日には、明石高校の1年生だけでなく、2年生もポートアイランドキャンパスを訪れて1年生とは異なる実験をしていました。1年生の実験は、実験を体験するのみとなっていますが、2年生の実験は、実験をして得られた結果を2学期の間、まとめ、考察して、プレゼンテーション資料を作成し、12月にこのポートアイランドキャンパスで明石高校、洲本高校、星陵高校の3校で合同発表するプログラムとなっています。

明石2年1

2年生が取り組んだのは「色素が持つさまざまな機能を探る」というテーマでした。身の回りにあふれる様々な物質は、似たような化学構造をしていてもその性質は大きく異なります。特に、色素は僅かな化学構造の違いで色が変わる性質を持っています。今回の実験では、アゾ色素という高校の化学の教科書に記載された色素を種々合成し、その機能を調査しました。

明石2年2明石2年3

どんな結果が出たのか、12月の合同発表会が楽しみですね。