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読売新聞大阪本社ジュニア記者のみなさんが来られました

11月26日(土)読売新聞大阪本社ジュニア記者19名がフロンティアサイエンス学部(FIRST)に来られました。

これは、読売新聞大阪本社「新聞のちから」委員会と神戸医療産業都市推進機構、神戸市が協力し、小中学生の「ジュニア記者」が医療機関や研究機関などを取材して新聞を作る、というイベントのひとつで、FIRSTが神戸医療産業都市にあることからお声がけいただき、再生医療を研究している長濱宏治教授への取材が行われました。

 まずは長濱先生から再生医療についての授業を受けました。

皮膚を再生することにスポットをあて、皮膚はどのような構造になっているか、皮膚が傷つくとどうなるか、治療に役立つために長濱先生が研究していることは何か、みなさん熱心に話を聞いてメモをとっていました。

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長濱先生は、「ハイドロゲル」という、普段は液体なのに体温と同じ37℃に温められると固体になるという物質を使って、再生医療の研究を行っています。

授業の次は、実験室に移動して実際にハイドロゲルを見ていただきました。

食紅で赤く染めたハイドロゲルは、赤い水のようにしか見えません。

でも、少し温められた水が入ったビーカーに入れると・・・

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固まって、赤い小さなビー玉のようなハイドロゲルになりました!

ジュニア記者のみなさんも「わぁ!」「すごい!」と驚きの声をあげていました。

その後、長濱先生への質問タイムとなり、「どうしてこの研究をしようと思いましたか」「いつこの研究を思いつきましたか」などの質問がよせられました。

また、大学の実験室には小学校や中学校の実験室にはない機器がたくさんあったため、「これは何ですか」「どうやって使うのですか」という質問もあり、絵なども描きながら長濱先生からの答えを熱心に書き留めている姿が印象的でした。

 

「魔法はすべてサイエンス」-これは、ハイドロゲルが赤い小さなビー玉のように固まったときに「魔法みたい!」と声をあげたジュニア記者に、長濱先生がかけた言葉です。

魔法のように不思議に見えることも、そうなる理由が必ずあります。「どうして?」「なぜ?」という気持ちが芽生えたら、そこで終わらずに理由がわかるまで考えて見つけてほしいなと思いました。

 

新聞は2月に発行されるとのこと、今からできあがりを楽しみにしています!

 

(ポートアイランドキャンパス事務室 山本 樹)


A期末試験が終わりB期がスタート 〜A,B期ってなに?〜

フロンティアサイエンス学部(FIRST)では、一部のカリキュラムをクォーター制で実施しています。

クォーターとは4分の1の意味。

大学の授業は前期・後期の2学期制で実施されることがほとんどですが、FIRSTでは一部の専門科目をA期・B期・C期・D期の4学期制(クォーター制)に分け、期間が短くなる代わりに週2回、授業を実施しているのです。

なぜか?

高校までは科学の授業は週に何回もありましたよね?

それが大学に入った途端、「1つの科目につき授業は週に1回」になってしまいます。

前回の内容を忘れてしまうのではないか? 忘れないうちに次の授業日がやってくる方がいいのではないか?

ということで、FIRSTでは設立時から、基幹となる専門科目をクォーター制で実施し、週2回の授業によって集中的に学修することにしているのです。

試験についても学生さんにメリットがあると考えています。

半期の最後に試験があっても最初の方の内容は忘れてしまっていますよね(おそらく)。

クォーター制なら授業全体の内容を把握しやすいといえるでしょう。

また、1回の試験期間の試験科目数も半分になりますので、その意味でも集中的に専門科目を学修することができるといえます。

クォーター制については過去の記事でも紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。

【クォーター制(4学期制)】

https://www.konan-first.jp/blog/archives/1065

【クォーター制の利点】

https://www.konan-first.jp/blog/archives/272

【難しいけど優しい?! FIRSTの定期試験(セミナー、生協、クォーター制)】

https://www.konan-first.jp/blog/archives/222

 


学生による“鶴岡先生”インタビュー 〜2〜

フロンティアサイエンス学部・学生広報委員がによる教員インタビュー第1弾「無機光化学研究室・鶴岡孝章先生」のPART2です。

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(PART1からつづく)

 

次に研究について聞いてみましょう。

☆研究テーマはどのようにして見つけるのですか?

「『面白い、興味があるというテンションが上がるテーマ』と『上手くいくようなテーマ』をいくつか用意しておくこと。直感でこれは面白そうだと思うものは、たくさんの裏付けがされていないということなので、上手くいかないことの方が多い。それだけでは研究は楽しくないので、得意でかつすでにいくつかの知識をもって上手くいきそうなものも選んでおくことでモチベーションを維持できる。これが秘訣ですね。」

☆先生の研究経歴は?

「研究室に入った当初は半導体のナノ粒子の研究を行い、現在は、教員になる前に博士研究員であったときに身に付けたことを生かして研究をしています。」

☆それは、ざっくりいうとどんな研究ですか?

「金属イオンと有機物の柱を用いて目的の物質を中に閉じ込めるような空間を作る研究を行っています。」

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「この構造体は金属有機構造体(MOF)と呼ばれ、直方体状の構造体(上の図)の他にもサッカーボール状の構造体(下の図)などがつくられています。」

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分子とイオンで建築物をつくっているみたいですね。

☆この構造体は何かの役に立つのですか?

「目的物質の回収、除去、分離が可能です。例えば、大気中から二酸化炭素を回収して地球温暖化の抑制に役立てたり、近年、水素などを閉じ込めて燃料として使いやすくしたりすることができます。」

「水素はクリーンな燃料として注目されているのですが、気体ですから密度が小さく、燃料として使用するためには、ぎゅっと集めることに労力を割かなければならないんです。また、普通のやり方で集めたとしても小さいエネルギーしか生み出せないという欠点がある。でも、この構造体に気体を回収できるような性質を付与することで、水素ガスそのものを密度を高くして扱うことが可能となり、より高いエネルギーを一度に得ることができるようになるんです。それ以外にも、環境中から有毒な物質を除去したり、匂い物質や水質汚染物質を除去するなどの応用が期待されています。」

規則正しい見た目が美しいだけでなく、とても役に立ちそうですね。

☆どうやってこのような構造体をつくるのですか?

(PART3に続く)


学生による“鶴岡先生”インタビュー 〜1〜

インスタグラム(@konan_first)では先行して当日の様子をお伝えしていますが、フロンティアサイエンス学部・学生広報委員による教員インタビュー第1弾は、無機光化学研究室の鶴岡孝章先生にお話伺いました。

担当してくれた広報委員は1年生の「れい」さんと「りょうま」さんです。

二人の紹介もインスタグラム(@konan_first)に投稿していますので、そちらもぜひご覧くださいね。

入学して1ヶ月足らずという4月にインタビューしてくれたのですが、研究についても驚くほど深く取材してくれました。

何回かに分けて紹介していきます。

では、鶴岡先生インタビューのPART1です。

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〜はじめに〜 

今回、無機光化学研究室・准教授の鶴岡孝章先生にお話を伺いました。私たちは、4月にナノ分野の学生実験を鶴岡先生から指導していただきましたが、研究や趣味の話をするのは初めてでした。みなさんにも、少しでも鶴岡先生のことが伝わればと思い、この記事を書きました。

鶴岡先生を初めて見た方は、背が高くて体の大きな先生だなあと思われると思います。体が大きいだけでなく、アスリート感がするというか・・・。まずはそのあたりからお聞きしました。

☆先生は何かスポーツはされていましたか?

「高校時代は野球をやっていました。野球一家でスポーツばかりをやっていましたね。」

(ちなみに、お兄さんは元・プロ野球選手だそうです!)

☆日頃の体調管理で気をつけていることはありますか?

「フランスに留学することをきっかけに、病気に罹らないように運動を始めました。平日は朝5時から1時間運動。オートミールを食べたり、プロテインを飲んだり、体調管理を意識した食事をしています。これは体調管理という意味もありますが、休日などの他人と過ごす時間にカロリーを気にしなくてもよいように、ということもあります。」

☆趣味は?

「今となっては野球はしないので、お酒を飲みながら野球観戦。お酒は苦いのがよく、体調管理の観点からおつまみはあんまり口にしません。」

鶴岡先生がアスリートに見える影には、厳密な体調管理があったのですね。大学で化学を教えられているくらいですから、学生時代から化学は得意だったのでしょうか。

☆高校の時の得意科目は?

「化学です。唯一そんなに勉強しなくてもテストでよい点数を取れたのが化学でした。」

唯一は謙遜だと思いますが、やっぱり化学は得意だったのですね。

「もう1科目は物理を選択。当時は、生物にはあまり関心がなかったので・・・。」

今では生命化学科の先生なのですが、高校時代は生物は選択していなかったのですね。

☆大学の先生になろうと思ったのはいつですか?

「大学4年生になって研究室配属したとき、ですね。誰も知らないこと、誰に聞いても答えが返ってこないことを研究したいと思い、自分の好きなことがすぐできるという職業が、企業への就職ではなく、大学の先生だったんです。」

将来の夢が見つかって道が開けるなんて、すごく運命的な研究室配属だったんですね。

次は研究について聞いてみましょう。

(PART2に続く)


一般公開(10/14)に多数ご来場いただき誠に有難うございました

10月14日(土)に実施された『神戸医療産業都市・京コンピュータ 一般公開』。

(予告記事はこちらこちら。)

甲南大学フロンティアサイエンス学部(FIRST)の会場には、930名の方々にお越しいただきました。この場を借りて、FIRST教職員一同、心より御礼申し上げます。

 

来年には、取り組み開始から20周年を迎える神戸医療産業都市。

一般公開も、より一層、盛り上がることが予想されます。

今年いらっしゃった方も、来られなかった方も、ぜひ、来年の開催を楽しみにお待ちいただければと思います。

 

以下、今年の開催の様子を画像でご紹介します。

一般公開2017実験600

(実験体験講座では、バイオテクノロジーやナノテクノロジーといったハイテクに関する実験から、炎色反応や液体窒素の実験まで、9テーマをお楽しみいただきました。)

 

一般公開2017展示600

(実験体験講座以外にも、研究展示(ポスター展示、試料展示)、顕微鏡観察、DNAカードゲーム、ドーム型天井(図書室)へのタンパク質構造の投影、などをお楽しみいただきました。)