ポートアイランド(が)キャンパス(2)

先日こちらの記事でご案内した理化学研究所のシンポジウムですが、その1週間後(9/29)にも別のシンポジウムがあります。

 

「超微細画像データを活用した健康科学の新時代」

超微細画像シンポ

PDFはこちら

 

それまで見えなかったものが見えるようになるというのは、科学の世界を一変させる大進歩で、それは医療・診断や健康科学の分野にも言えることですね。

 

ちょうど先週(9/12)、授業でSPring-8を見学させていただき、生体イメージングの話を伺ってきたところですので、その授業を受講していた学生は、ぜひ聞きにいくといいですね。

 

私たちの学部(フロンティアサイエンス学部生命化学科)は、ナノやバイオなど、幅広い分野からいくつかを選択して融合的に学ぶ、というコンセプトのカリキュラムになっていますが、融合が大切だということが、このシンポジウムを見てもおわかりいただけると思います。

一目見ただけでも、対象(生物)× 画像撮影装置(物理) × 画像処理(情報)などの分野の融合で成り立っている、ということがおわかりいただけるのではないかと思います。


サイエンス島、今だけアート島 〜港都KOBE芸術祭〜

今年、開港150年をむかえた神戸。

ブラタモリなど、いろいろなテレビ番組でも取り上げられているので、神戸にお住まいでない方も「開港150年」だということは、ご存知なのではないでしょうか。

では、150年って何から数えて150年か、ご存知ですか?

神戸港の起源は「大輪田の泊かな? でもそれって平清盛だから平安時代?」と考えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが(私のように)、そもそも平清盛は大整備を行ったのであって、そのずっと前から大輪田の泊はあったそうです。

では、150年前には何が起こったのか。

150年前は慶応3年=明治元年ですね。

つまり、外国に向けて港を開いてから150年、ということなんだそうです。

 

さて、その150年を記念してさまざまなイベントが行われていますが、私たちのいるポートアイランドにも関係が深いのが、港都KOBE芸術祭。

ポートアイランド北公園や神戸空港に芸術作品が展示されているんです。

 

O2ひまわり

(O2 ひまわり/Thank-You Presents to Oxygen)

 

借景神戸港

(shakkei – kobe port)

 

ポートアイランド北公園は夜景スポット、釣りスポットとしても有名なところ。

神戸らしく、異人館もあります。

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芸術祭は9/16〜10/15。

秋のオープンキャンパスの日(10/1)は、ちょうど開催中です。

高校生・受験生のみなさん、ポートアイランドキャンパスにお越しの際に立ち寄ってみられてはいかがでしょうか。


2度あることは3度ある?

(この記事は、こちらこちらから続く内容になっています。)

 

嵐を呼ぶ男・川上教授のフィールドワーク型授業。

第3弾は・・・

9月12日、大型放射光施設(SPring-8)を見学させていただき、敷地内の放射光ナノテクセンターで兵庫県立大学の篭島靖先生の講義を拝聴いたしました。

 

で、まず、大事なとこ。

台風は来ませんでした。無事に授業が成立し、ホッとしました。

というのも、大学の規則で「暴風警報が出たら安全上の理由で授業はナシ」になるのですが、今回のような場合、問題はその代講です。

代わりの日にやるといっても、先方様もうちの学生も、別の日に丸一日時間を空けるというのはほぼ不可能ですので、今回、無事に開講できてよかったなあ、と思っているわけです。

しかし・・・。

さすが(?)は嵐を呼ぶ男・川上教授。

嵐を呼びました。大雨警報です。

 

41456626 - bad weather driving poor view caused by heavy rain and spray water

(イメージ画像です。)

 

当日の朝、大雨のためJR神戸線が遅延し、授業開始が遅くなってしまいました。

おそるべし川上教授!

 

さて、無事に行われた授業のその内容ですが、放射光に関する基礎知識について講義を受けた後、SPring-8を見学させていただきました。

 

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光(電磁波)を使って物質の構造や性質を調べる実験は、生命化学分野でもお馴染みですが、日頃扱う実験装置とはスケールが違います。

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SPring-8の蓄積リング棟内部。

リングといっても全長1.5km。

その中で、ほぼ光の速さまで加速させた電子を磁石で曲げた時に発生する「放射光(X線)」を使って、今まで見えなかったものを原子レベルで見ることができる施設です。

 

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X線自由電子レーザー施設(SACLA)。

位相がきれいに揃ったX線を発生・利用することができる施設で、タンパク質などの分子の原子レベルの動きを観察することができます。

 

朝から18時までの集中講義。

篭島先生をはじめ放射光ナノテクセンターのみなさま、どうもありがとうございました。

 

午後からは青空も見えて、SACLAの出入口からは西播磨の美しい景色。

 

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というわけで、川上教授の「嵐を呼ぶ男シリーズ(?)」は今回でおしまいです。


小中学校の先生が見学に来られました

8月29日(火)、神戸市内小中学校の先生方(24名)が、フロンティアサイエンス学部にお見えになりました。

『先端科学や先端技術にふれる見学会』という行事の一環でご来学され、講義と実験講座、さらに施設見学にご案内いたしました。

 

講義は長濱宏治准教授の「賢い新素材ハイドロゲル」。

 “ ハイドロゲルはゼリー・おむつ・コンタクトレンズなど様々なかたちで、私たちの生活に深く関わっている素材です。近年の研究により、従来のハイドロゲルよりも“賢い”ハイドロゲルがどんどんと生み出され、その応用は生活の範囲を超えて生命や宇宙などに拡がっています。本講義では、ハイドロゲルの科学をご理解いただくための基礎知識を説明しました。また、最先端の“賢い”ハイドロゲルについて研究例を含めて紹介しました。”

Lecture_hydrogel

長濱准教授の『賢いハイドロゲル』は、神戸市立中学校の副教材読本に載ったり、バンドー神戸青少年科学館(神戸市立青少年科学館)のコンテンツに取り上げられたりしているんですよ。

 

その後、実験講座3テーマをご体験いただきました。

「顕微鏡による口腔内細菌の検出」

” みなさんの口腔内にいる細菌をスライドガラス上に取り出し、特別な染色法によりグラム陽性菌を検出し、顕微鏡にて観察しました。”

Microscope

「銀鏡反応」

” グルコースの還元性を利用してアンモニア性硝酸銀溶液から銀を析出させました。試験管内でこの反応を行い、内側が銀めっきされた試験管を作製しました。”

Silver mirror reaction

「医療診断技術」

” 酵素反応やルミノール反応を利用して、着色や発光など、目視で確認できる方法で、グルコースの濃度を測定しました。”

Luminescence

 

大学の役割には研究・教育に加えて、地域貢献というものがあります。

今回の活動が、すぐに直接的な成果を生むことはないかも知れませんが、小中学校の先生方に科学に対する新鮮な気持ちを少しでも持っていただけたとしたら、きっと間接的に地元地域の教育にお役に立てているのではないか・・・

そんな気持ちでこのような活動に臨んでいます。


大学ならではの授業スタイル 〜集中講義〜

大学生の夏休み期間は、高校生と同じくらい、たっぷりあります(今年度の学年暦では8月2日〜9月20日)。

高校だと補習授業とか入試対策講座などがある高校もあると思いますが、大学でも夏休みにしかできない授業が数多く開講されます。

それは、集中講義。

他大学や企業から講師を招いて、レギュラー教員陣ではカバーしきれない分野を、3日間ぶっとおしで文字どおり集中的に学ぶスタイルの授業です。

現在、先週フロンティアサイエンス学部で開講されていたのは「科学とエネルギー・環境」。

愛媛大学大学院農学研究科(生物環境学専攻)から川嶋文人先生に来ていただきました。

川嶋先生のご専門は、バイオマス利活用,バイオマスエネルギー,超臨界流体など。

所属研究室は、ダイオキシン、PCB、POPs(難分解性・高蓄積性・長距離移動性・有害性物質)、VOC(揮発性有機化合物)、シックハウスなども研究しておられるということで、幅広く環境科学について学べることと思います。

 

Kawashima

(3日目は、再生可能エネルギーに関連する特許を調べて発表する、という課題に取り組んでいました。)

90分 × 5コマ × 3日間、というハードなスケジュールですが、夏休みは普段学べないことに触れて、視野を広げるチャンスですね。

旅行やアルバイトだけではない、大学生の夏休みの一面をご紹介しました。