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3年生実験の紹介

3年生になると、1,2年生実験と異なり、専門的な研究が行われることは以前のブログでも何度か紹介しました。

今日は、現在バイオ系の研究室で研究を行っている井上くんの実験風景を撮影しました。
彼が今扱っているのは、”抗体”とよばれるタンパク質。我々の体を病気から守る免疫の主役のタンパク質であり、最近では「抗体医薬」など医療の世界でも応用が期待されています。

ただし、それを作ってくれるのはマウスとよばれるネズミちゃん。そのため、抗体を作ってくれるマウスの世話に奔走中。

研究の世界ではチームプレーが重要です。
彼も今はマウスとチームを組んで、世界と戦っているわけですね。

ねずみ1

ねずみ2


3年生実験を受講して

FIRSTでは、学部1,2年生のうちに専門実験(いわゆる学生実験)を一通り終え、3年生の学生実験では週3日、一人ひとり内容が異なる「研究テーマ」に取り組んでいます。

今日は、3年生の沖廣くんに3年生実験について聞いてみました。

レンコン

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フロンティアサイエンス学部の三年生実験は、ふつうの学生実験と少し変わっている。

それは学生一人ひとりが学生実験の指導する教員の研究室に仮配属という形で入ることだ。一、二年生実験では、学生実験室で10~15人に別れてナノ、バイオ、ナノバイオの決められた実験するのだが、三年生実験では各研究室にたった2、3人の友達しかおらず、他の学生に頼りながら実験をしていた学生にとっては何とも言えない不安を感じるところもある。フロンティアサイエンス学部で三年生実験は一、二年の専門実験と、四年生の卒業研究の間に取り組む実験と位置づけられ、前期、後期と二期受講し、二つの異なる研究室へ仮配属することとなる。こういったタイプの学生実験はおそらく他の大学にはないであろう。

この三年生実験での仮配属は、私たち学生にとって四年生の時に配属される研究室の空気や教授の教育方針を体感できるいい機会でもある。私自身も四年生で所属したいと思っている研究室に実際に仮配属になった。そこで三年生実験を行うことで、研究室に所属している先輩たちと話したり、この研究室がこれからどのような方針で進んでいくのか、ある程度感じ取ることができた。また、この仮配属で得た情報は決してその配属された学生だけのものにはならない。それは、フロンティアサイエンス学部には「マイラボ」があるからだ。このマイラボには学生それぞれの席があり、学生間でそういった情報の交換が行われるからである。そうすると、自分が所属した二つの研究室以外の研究室情報も自然と耳に入ってきて、四年生での研究室選びの視野も大幅に広がる。これは私たち学生にとって、とても有益なことであり、四年生で配属された研究室の教育方針が思っていたのと違うといった配属のミスマッチをある程度なくすことができることにもつながっている。

さらに、三年生実験は卒業研究前にするだけあって一、二年生実験と違う特徴をもつ。一、二年生実験では、テキストに沿って答えのある「実験」をやるが、三年生実験では一人ひとりに異なるテーマの「研究」が与えられる。三年生実験ではこのテーマ選びが、仮配属する研究室選びに関連する。研究テーマは、仮配属前に学部専用サイトで発表があり、研究室からテーマを、またテーマから希望する研究室を事前に調べることができる。こういうと、聞いたこともないような難しい単語が組合わさった専門的な研究テーマが書かれていると思われるかもしれないが、各テーマの下にはそのテーマに関係するキーワード(私たちが授業で習ったり、聞いたことがある専門用語)が並べてある。少しでもテーマやキーワードに興味を持てば、そのキーワードを少し調べさえすれば、ある程度のテーマの概要を知ることもでき、それをもとに仮配属する研究室を選ぶこともできる。

私自身前期、後期と研究をしてきて、次のことを考えるようになった。答えのない「研究」を三年生の時に体験しておくことで、将来自分一人で研究に取り組む時に必要となる、研究の計画や測定機器を使った実験、データの解析や失敗したときの見直しなど、理系学生特有の研究に関するPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を、卒業研究前に身に着けておくことができると思う。実際、私も一、二年実験ではそのようなことを考えたことがなかったが、三年生実験では、日々、未知の研究テーマに向き合って研究を進めている。相談相手はいるが、自分で実験を計画したり、データを解析することが不可欠でそうしなければ研究はすすまない。この三年生実験での私たちの成長は、配属された学生のモチベーションや能力と、その研究室の方針にもよるかもしれないが、少なくとも私は一、二年実験の頃と比べると研究に対する考え方が大きく変わり、何となく研究者として成長していっているような気持ちでいる。

この気持ちを大切に残りの三年生実験に真面目に取り組み、将来の目標に向かって成長していきたいと思う。

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マイラボから垣間見える研究風景

FIRSTの一番のおすすめポイントは「マイラボ」です。
それについては、以前にその誕生のお話について紹介したことがありました。

 このマイラボには、一言では表せない我々教員の思いがたくさん詰め込まれています。
今回は、その1つ(動線と設計)についてご紹介したいと思います。

 理系として大学に入学すると、「将来、自分はどんな研究をするのかなぁ~♪」と夢膨らませた人も多くいるのではないかと思います。実際、私たちもそうでした。

 ただし、大学入学直後には一般教養の講義がほとんどで、専門科目も少なければ、研究室で最先端の研究をしている教授の先生方をみることもほとんどない環境におかれていました。そのため、研究ってどこでどんなことをしているのかすら想像だにできなかったことを覚えています。

 というのも、当時の大学は教養課程と専門課程に分かれており、講義を受ける講義棟と教授の先生方が研究を行っている研究棟は、全く違うところに建てられていました。また、教養課程を教える先生と専門課程を教える先生が別の先生であることも多かったと思います。そのため、研究室に配属される4年生になるまで教授の先生方の研究を知ることはありませんでした。「もっと早く知っていればあの授業を真面目に受けていたのに・・・」、「あの学生実験をちゃんとやってればよかった・・・」と配属された後に後悔したことも何度かあります。将来、何をするのか知らなかったがためにきちんと勉強できなかった、そんなことはできるだけなくそう! 研究を知っていた方が勉強のモチベーションも上がるはず! そんな思い(願い)も、教員による話し合いでは多く話し合われました。
その思いをどう具現化するのか、動線や設計などいろいろと話し合いできあがったのがこのマイラボです。

 これは、マイラボから見える教員の研究室がある研究ゾーンへの廊下です。

マイラボ廊下

 マイラボから数メートルの距離に教員の研究室があり、何か知りたいこと、聞きたいことがあればすぐにでも行ける環境にあります。(学生曰く、数秒で行ける、確かに手前の教員の研究室には5秒もあれば行けるかも知れません)

 また、これはマイラボの席から見える「フロアのグループ測定室」の風景です。

マイラボグループ

 廊下の先には各教員の研究室があるのですが、マイラボに一番近いところにはフロア共通のグループ測定室があり、その壁はガラス張りとなっています。マイラボに座っていると、グループ測定室の中で行われている研究が自然と目に飛び込んできます。FIRSTでは、1年生から一人ひとりに席があるので、ガラス張りの測定室の中で行われている研究のシーンがいつでも目に飛び込む環境になっています。「研究室に入った先輩たちは何やら高そうな機械を使って研究をしているんだぁ・・・。あれっ、そういえばこの前の学生実験で、あの機械使ったような・・・ もっときちんと使い方を学んどかないといけないじゃないか!」なんてことも考えるかも知れません。

 当然、教授の先生たちがどんな研究をしているか、直接、研究室に聞きに行くこともできたりします。私たちが学生時代には考えられなかったシステムがうまく具現化できたのではないかと思います。
いろいろなことを早いうちに知ることができれば、視野も広がりますし、学びたいことも明確になっていきます。夢を抱いて入学してきた学生さんたちには、多くのことを学んでもらって、将来、優れた研究者として活躍してもらいたいですね。

 そんな夢もマイラボには詰められているんです。今日は、その一端をご紹介いたしました。


サイエンスライブチケット(新海征治先生)

7月6日は、崇城大学工学部ナノサイエンス学科(九州先端科学技術研究所 所長、九州大学高等研究院 特別主幹教授)の新海征治先生をお招きして、第13回のサイエンスライブチケット講演会が開催されました。

新海1

 ご講演いただいた新海先生は、ISIトムソン社が毎年行っているノーベル賞受賞者予想においても、化学分野でその名前がたびたび挙げられるほど著名な先生です。今回は「分子認識化学 〜そのアイデアの源泉と実現〜」という演題で、これから日本の将来を担うであろう学部生に向けて、自分たちが取り組んでいく研究のアイデアをどのようにして社会に発信するものへと深化させていくのか、ご自身の経験を踏まえながらご講演いただきました。
 
 とてもわかりやすいご講演だったこともあり、参加した学生からもたくさんの質問があり、またその質問に対しても丁寧に説明いただき、学生にとってはとても参考となるお話だったようです(我々教員にとっても有益なお話もたくさんあり、大変参考となりました)。

新海2

新海3

スパコン「京」をテーマとしたタウンミーティングで発表

去る5月12日(土)にポートアイランドの神戸大学統合研究拠点で開かれたスパコン「京」をテーマとしたタウンミーティングで、FIRST4年生の中村 研 君(杉本研究室)と大学院博士後期課程3年の藤本 健史 君(三好研究室)が参加し、「京」をつかって取り組みたい研究について発表しました。

彼らが発表したのは、現在、卒業研究等で取り組んでいる遺伝子の研究テーマだったそうです。

生命の遺伝情報を記憶するDNA。一般的には二重らせん構造を形成しているのであるが、鎖を折りたたんで四重らせん構造も形成しています。この四重らせん構造は、細胞内の複雑な環境によってその構造を大きく変えてしまうそうで、その解明が遺伝情報の転写や翻訳に関わっているのではないか、と精力的に卒業研究をしているそうです。コンピュータシミュレーションでは、複雑なものも計算によって予測することができ、いずれは自分たちの研究をもとに「京」の力を借りて細胞内の複雑な生命現象を予見したいと発表したそうです。

市長も参加した発表の様子は神戸新聞に取り上げられています。

タウン1タウン2