カテゴリー別アーカイブ: 授業

大学ならではの授業スタイル 〜集中講義〜

大学生の夏休み期間は、高校生と同じくらい、たっぷりあります(今年度の学年暦では8月2日〜9月20日)。

高校だと補習授業とか入試対策講座などがある高校もあると思いますが、大学でも夏休みにしかできない授業が数多く開講されます。

それは、集中講義。

他大学や企業から講師を招いて、レギュラー教員陣ではカバーしきれない分野を、3日間ぶっとおしで文字どおり集中的に学ぶスタイルの授業です。

現在、先週フロンティアサイエンス学部で開講されていたのは「科学とエネルギー・環境」。

愛媛大学大学院農学研究科(生物環境学専攻)から川嶋文人先生に来ていただきました。

川嶋先生のご専門は、バイオマス利活用,バイオマスエネルギー,超臨界流体など。

所属研究室は、ダイオキシン、PCB、POPs(難分解性・高蓄積性・長距離移動性・有害性物質)、VOC(揮発性有機化合物)、シックハウスなども研究しておられるということで、幅広く環境科学について学べることと思います。

 

Kawashima

(3日目は、再生可能エネルギーに関連する特許を調べて発表する、という課題に取り組んでいました。)

90分 × 5コマ × 3日間、というハードなスケジュールですが、夏休みは普段学べないことに触れて、視野を広げるチャンスですね。

旅行やアルバイトだけではない、大学生の夏休みの一面をご紹介しました。


嵐を呼ぶ男! 川上教授

神戸大学実習船・深江丸で高松港に行くフィールドワーク型授業「科学と産業政策」が台風の影響を受けたことは先日ご報告した通りですが・・・(こちらこちらの記事をご覧ください。)

その深江丸に乗船していた川上教授が担当する、もうひとつのフィールドワーク型授業「エリアスタディーズV」も、台風の影響をもろに受けてしまったようです。

エリアスタディーズVは、シンガポールの国際的に有名な大学や研究機関を訪問し、プレゼンなどを介して、現地の教授や研究者、学生たちと交流を深める授業。

川上教授によると、23日に香港経由で帰国する予定だったのが、台風の香港直撃により1日半の間、足止めをくらってしまったとのことです。

 

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(川上教授から送られてきたスマホのスクショ。)

 

でもともかく、みなさん無事に帰国されて教員一同ほっとしました。

現地での研究・教育機関での活動の様子は改めて詳しくご報告するとして、今回はちょっとだけ。

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(初日の実験: 午前中にみっちり講義を受けて、今からマウスとラットの実験です。by 川上教授)

 

 

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(マリーナベイ・サンズから: 下に見える花のような建物がArt Science Musiumです。土曜日はここを見学したのち、自由行動になりました。対岸にマーライオンが小さく見えます。by 川上教授)

 

それにしても、2週間ほどのあいだに授業が2回も台風の影響を受けるなんて、よほど台風に愛されているのか、それとも川上教授の方が台風を追いかけているのか・・・。

次回、嵐を呼ぶ男・川上教授のフィールドワーク型授業は9月12日(火)(もう1回あるんです・・・)。

大型放射光施設SPring-8(兵庫県佐用郡)での見学と講義です。

 

 

天気予報から目が離せませんね!

台風、来るなよ、ぜったい来るなよ。


深江丸乗船実習

8月7日の記事「今年も行ってきます!海上授業」を当日ご覧になって、「台風5号が近づいてきているけど、深江丸は大丈夫なの?」とご心配いただいたみなさま。

ご心配ありがとうございます。

結局、7日は朝から暴風警報が出ておりましたので、授業自体がなくなりました。つまり、深江丸は出航しませんでした。

しかし!

神戸大学海事科学部さんのご厚意で、8日に日帰りというかたちで出航。

高松市には行けなかったものの、中身の濃いプログラムを実施することができました。

 

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(港湾施設と産業のつながりについて学びました。また、船橋(ブリッジ)や機関室(エンジンルーム)の見学や操舵体験をさせていただきました。)

深江丸船長はじめ、神戸大学海事科学部のみなさま、有難うございました。

 

なお、この授業「科学と産業政策」では、このあと、大型放射光施設SPring-8や医療産業都市(スーパーコンピュータ京、神戸大学統合研究拠点)にもお邪魔して、科学産業政策について学ぶ予定です。


薬のことを学ぶのは薬学部だけじゃない

8月6日の夏期オープンキャンパスでは、たくさんの高校生・受験生、また、保護者の方々にお越しいただきました。有難うございました。

さて、オープンキャンパスでよくいただく質問の中に「薬学部と迷っているんだけど・・・」というものがあります。

薬学部志望なんだけど、入学後に興味が変わるかもしれないので、もう少し広く学べる生命系の学部にしようか、と迷っていらっしゃるわけですね。

まず決定的な違いは、薬剤師になりたいかどうか、です。

薬剤師になるのであれば、薬学部に進学して6年制薬学課程を修めないといけません。

それに対して、資格にはこだわらないが「薬学部で学べるようなこと」を学びたい、また、興味が変わったときには「薬以外のこと」も学べるようにしたい、という方には、フロンティアサイエンス学部生命化学科(FIRST)はぴったりではないか、と思います。

 

では、どのくらい「薬学部で学ぶようなこと」が学べるのか?

これを説明するのはなかなか難しいのですが・・・先日のブックハンティングツアーに同行したときに、書店の薬学コーナーのチェックしてみると・・・

ああ、これは! FIRSTでお馴染みの分野・科目がいっぱいです!

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左から「分析化学」「物理化学」「無機化学」「有機化学」「生化学」。このあたりは文句なくFIRSTで学ぶことができます。中身も見てみましたが、薬学部での学びと、われわれ生命化学科での学びでは、あまり違いはなさそうです。

他はどうでしょうか。

FIRSTの鉛筆博士、じゃなくて薬学博士の川上教授に聞いてみました。

川上教授はFIRSTの教務主任という立場から各授業の内容も把握していますので、上の書棚に並んでいる分野がFIRSTのどの授業で扱われているか、をリストにしてもらいました。

 

免疫学
 「バイオ序論」「医療テクノロジー」「創薬テクノロジー」
環境
 「バイオセンシングと環境」「遺伝子工学・バイオテクノロジー」
機能形態学
 「発生学」「薬理学」「メディカルバイオテクノロジー」「医療テクノロジー」「生命機能科学」
微生物学・感染症学
 「遺伝子工学・バイオテクノロジー」「分子生物学」「医療関連研究開発論」
「創薬テクノロジー」「薬理学」
医薬品安全性学
 「薬理学」「創薬テクノロジー」「医療関連研究開発論」
薬物動態学
 「薬理学」「創薬テクノロジー」
薬剤学
 「創薬テクノロジー」「生命機能科学」「高分子化学」

 

いかがでしょうか。括弧のなかに書いたのがFIRSTの授業科目名です。

もちろん、FIRSTでは薬以外のことも学ぶわけですから薬学部とまったく同じ内容・分量というわけにはいきませんが、かなり、薬学の内容をカバーしていますよね。

あと、これら以外にも、例えば「生薬学・天然物化学」は、授業で網羅的に学ぶことはなくても、生薬や天然物を使った研究は行われていますので(例えばウコン成分の抗がん剤の研究や、キノコ類成分の機能性食品化など)、興味がある方も大丈夫。

 

さらに詳しく聞いてみたい、という方は、ぜひ秋期オープンキャンパス(10月1日)にお越しください!


今年も行ってきます! 海上授業

フロンティアサイエンス学部(FIRST)の「科学と産業政策」という授業は、ちょっと変わった授業です。

神戸大学海事科学部さんの実習船「深江丸」に乗せていただいて、高松への1泊2日(船内泊)の航海に出るんです。

 

(昨年の様子。今年もこのような青空になれば良いのですが。)

船の上から神戸港や瀬戸内海を見ながら、船舶や港の産業における役割を考えたり、寄港地である高松市をモデルに産業振興策を考えたりする授業なんですね。

詳細な授業内容の紹介はまたの機会にするとして、今日は、「MarineTraffic」 というサイトのご紹介です。

「科学と産業政策」の実習航海、実は本日(8月7日)出航なのですが、「FIRST生を乗せた深江丸は今、どこにいてるんやろ?」と気になる受験生のみなさん!(いませんか 。。。) では、在学生保護者のみなさん!

「MarineTraffic」 というサイトでわかるんですよ、現在位置が!

許可を得ていませんのでリンクやスクリーンショットは控えますが、ウィンドウ左側にあるツールバーの検索ボタン(ルーペのアイコン)から、FUKAE MARU で検索すると、現在位置や船の情報が表示されます。

「航跡の表示」を選べば、「直近の航海は明石海峡をくぐって周回してきたんだな」というようなことまでわかります。おもしろいです。

もちろん他の船の情報も。

ああ、Queen Elizabeth号は今、ノルウェーのベルゲン港(フィヨルド観光の拠点として有名な町)に入港するところか・・・とかね。うーん、でもこんなのを見てしまうと、旅に出たい気分になってしまいますね。受験生のみなさんには目の毒ですね。

やっぱり深江丸情報に限定して、「フロンティアサイエンス学部に入学して深江丸に乗るぞ」と、勉強意欲を盛り立てていただくのがよさそうですね。