オープンキャンパス『遺伝子暗号の謎を解け』

8月6日(土)7日(日)の2日間、夏期オープンキャンパスを開催します。(なお、2日間の内容は同じです。)

今日はそのイベントの中から、ミニDNA講座『遺伝子暗号の謎を解け』についてご案内します。

以前の記事「巨大DNAに隠された謎」でもご紹介しましたが、ポートアイランドキャンパスには、2010年3月8日から2010年10月20日までの間、ギネスに世界一と認定されていた巨大DNAモデルがあります。

dna

DNAが遺伝情報を担っているとか、生命の設計図である、とかいうことはみなさん聞かれたことがあると思います。では、もっと具体的に「何か?」というと、最もよく知られている働きは、タンパク質の設計図となっているということですね。タンパク質はアミノ酸がつながったポリマーで、酵素や抗体などの例に見られるように、重要な生命現象を支えています。

では、どのように設計図として機能しているかというと、、、

DNA_base

DNAは糖とリン酸と塩基、という3つの部分から構成されており、リン酸の部分がつながってポリマーとなっています。塩基にはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4種類があり、この塩基の並び方、具体的に言うと、3つの塩基の組み合わせが1組となって、1つのアミノ酸を指定する暗号のようになっています。例えば、GCAという組み合わせなら、アラニン(Alanine)という具合です。このように、3つの塩基の組み合わせが並ぶことによって、アミノ酸の並び方、つまりタンパク質の構造の設計図として機能しているわけです。

codons

このような内容はオープンキャンパス当日にあらためて説明いたします。

さて、アミノ酸はアルファベット1文字で表記することができますので(例えばアラニンはA)、アミノ酸の並び方によっては、英単語のように読めることもあります。ポートアイランドキャンパスのDNAモデルは、まさにアミノ酸の並びが英単語として読めるように、塩基の並び方が工夫されているんですね。で、オープンキャンパスでは、その英単語を解読してもらおう、というわけです。

(当日は図をたっぷり使って、もっとわかりやすく説明します。)

どうせDNAモデルをつくるなら、塩基の並び方を工夫して、英単語を暗号として忍ばせておこう 。。。遊び心に溢れる、実に楽しいアイデアでしょ?

アイデアを出したのは、こちらの先生。

kawakami

昼食はほぼ毎日、いなり寿司とカレーうどんとコーラ。先生の名前を取って、川上セットと呼ばれています。オープンキャンパスにご来場の際は、ぜひ川上セットもお試し下さい。


甲南大学同窓会チャレンジ基金

この度、2011年度「甲南大学同窓会チャレンジ基金」に、FIRSTの3回生の高木琴味さんと同じく3回生の中川雄市君が採択されました。

チャレンジ

(左:中川雄市君、右:高木琴味さん)

甲南大学同窓会チャレンジ基金は、甲南大学同窓会費を基金として、本学の個性尊重の建学精神に鑑み、学芸・文化・スポーツなど社会の様々の分野で、自らの得意とする知識や技術を生かし活躍すると共に一層の向上を志す前途有為な人材を育成することを目的として設けられました。

甲南大学の2年次以上に在学する同窓会の学生会員または甲南大学を卒業した大学院生で、不断の努力によって一層の能力向上を目指し、次の(1)から(7)までのいずれかの条件を満たすものが申請することができます。
(1)甲南大学の自治会活動を熱心に行う者
(2)甲南大学の課外活動を熱心に行う者
(3)学内外を問わず、社会の発展に貢献できる者
(4)甲南大学在学中に全国大会またはこれに準ずる大会に出場した者
(5)自らの得意とする知識や技術を生かし、各種大会やイベントにおいて活躍する者
(6)明確な研究テーマを持ち甲南大学大学院に進学を予定する者
(7)留学を希望する者

二人は、大学院に進学を予定しており、現在取り組んでいる学生実験のテーマで学会発表をすることを目標に、本チャレンジ基金に申請し、採択されたそうです。

研究者にとってチャレンジすることはとても大事なこと。
この高い志のまま、今後も頑張ってくださいね!


夏のオープンキャンパス(イベント予告)

8月6日(土)7日(日)の2日間、夏期オープンキャンパスを開催します(2日間の内容は同じです)。このブログでも紹介しているポートアイランドキャンパスを直接ご覧になるチャンスです。また、下のようにさまざまなイベントも用意しております。ぜひお越し下さい。

welcome

1.学部説明
  教員がFIRSTの学びや研究の内容・特徴について説明します。
2.在校生による学部紹介
  在校生が学生生活についてご紹介します。
3.入試対策講座
  過去問(理科)の解説をもとに、傾向と対策をお話します。

4.キャンパスツアー
  マイラボなどの教育設備や最先端の研究設備をご紹介します。
5.在校生による研究紹介ブース
  3年生が現在行っている研究内容を発表いたします。
6.個別相談ブース
  入試のこと、学習のこと、研究のこと、何でも聞いてみよう。

7.ミニDNA講座「遺伝子暗号の謎を解け」
  簡単な生物学の勉強の後、キャンパスのシンボル・巨大DNAモデルに隠された
  暗号を解読しよう。
8.実験体験講座(生物学編)
  細胞を見る! 自分の細胞を染色して核やミトコンドリアを見てみよう。
9.実験体験講座(化学編)
  化学反応を見る! 化学発光を利用して玄米の鮮度を測定してみよう。

各イベントの詳細やタイムスケジュールは、このブログでも順に紹介していきます。
(まとめた情報はホームページにも掲載する予定です。)

なお、上記はポートアイランドキャンパスのイベント内容です。岡本キャンパスでのFIRSTに関するイベントは「学部説明」「入試制度説明」「個別相談ブース」「8学部合同講義」の予定です。


ピア・レビュー

今日は、研究発表のしくみについてご紹介します。

研究者は、研究の成果を公開しなくてはなりません。それは、税金などの公金を使って研究をする者の義務であるとも言えます。もし、自分の私財を投げ打って研究をするのであれば、「公表はしない。趣味でやってるだけだから。」という主張も通用するでしょうが、そんな人はまずいません。(私財を研究に投じる人はいますよ。有名なのはスーパーマン役の故クリストファー・リーブ氏ですね。落馬事故で首から下が不随になって以降、脊髄研究や再生医療研究に多額の寄付をしています。カリフォルニア大学アーバイン校には同氏の名前を冠した麻痺性脊髄損傷の研究所もあります。)

公表のもう1つの理由は、その成果を他の研究者や産業界などに役立ててもらうためです。どれだけ価値のある研究成果であっても、人目に触れなければ活用されることもありませんからね。

さて、本題ですが、では、研究成果を発表しようとする際、公表する「価値」があるか否かはどのように評価されるのか? といいますと、多くの場合、研究者が互いに評価し合うシステム(ピア・レビュー)が採られています。例えば、論文を書いて科学雑誌に投稿する。その論文を、同分野の研究者たちが、新規性や独創性などについて評価をするわけです。ピア・レビューを経ずに論文を掲載する雑誌もありますが、それは内容について何の保証もしていないわけですから、そのような論文は、私たちはあまり信用もしませんし、評価もしません。だって、極端な話、大学1年生の実験レポートだって掲載させられるわけですからね。

さて、以前に、あるインターネットジャーナルで、三好先生がこのピア・レビューの審査委員長のような役(Editor)をしていますよ、ということを紹介しました(そのときの記事はこちら)。今日、紹介する内容は、ある研究者の論文の内容について三好先生がコメントを求められ、そのコメントがアメリカ化学会会報誌(Chemical & Engineering News)に掲載された、という件です。新聞の科学記事によくあるような「○○に詳しい○○大学○○先生の話:この研究は○○という点で意義深い ~~~  今後、○○につながる可能性もあるのではないか。」というようなコメントですね。

内容はこちらです。(アメリカ化学会ですから、英語です。)


学生と教員の距離

FIRSTの良いところの一つとして、学生と教員の距離感が近いという声をよく聞きます。

「大学の先生って話しにくいと思っていた」私も学生の時はそうでした。
学部生の間は、大学の先生がどの建物のどの部屋に居られるかすら知らなかったような気がします。知っていたとしても、ノックしにくい重厚なドアがあり、よほど重要な話がない限りは先生のところを訪れるなんて考えたこともありませんでした・・・。

では、なぜFIRSTの先生は話しやすいのか? 我々なりに解析してみました。

その1:「教員の平均年齢の低さ」
FIRSTには15名の専任教員がいますが、その平均年齢は約40歳と低いことが挙げられます。比較的
学生に年齢が近いからでしょうか?(そうは言ってもだいぶ離れてますね・・・)

その2:「入りやすい教員研究室」
教員の居室はガラス張りとなっており、教員がいるかどうかは廊下から見て一目瞭然。マイラボからフラリとやってきて、ガラス越しに先生の様子をうかがい、先生があいていそうであればすぐに質問に行くこともできます。

教員居室
(鶴岡先生の居室を廊下から写させてもらいました)

その3:「マイラボの存在」
教員のいる研究ゾーンと学生がいるマイラボは、ドア1枚を隔てた距離にあり、教員が講義や食事などにいく時には、必ずそのフロアのマイラボを通るように動線が設計されています。この動線によって教員と学生が接触する機会が増えます。
「今日の授業わかった?」「朝早くから頑張ってるね!」「おはようございます!」「先生、髪型変えたんですか?」 何気ない会話で距離も近づくのでしょうか。

その4:「1年次から専任教員が学生を教育」
一般的な大学のカリキュラムでは、1年次には非常勤の先生が教養教育をするため、専任教員と接触する機会は非常に少ないですが、FIRSTでは「研究がしたい」「研究者になりたい」という目的をもって入学した学生さんの希望に応えるため、1年次から専任教員が専門科目を教育しています。
学部1年生でも、教員の講義を聞き、質問に行って話す機会はたくさんあります。最初から知っていたらいろいろ話せることも増えますよね。

その5:「指導主任面談」
以前に紹介したように、FIRSTでは年に2回、指導主任面談が用意されています。自分から声をかけにくかったとしても、面談で仲良くなれば、話しやすくなりますよね。

いろいろと挙げましたが、何はともあれ、フレンドリーに話しかけてくれる、偉ぶっていない等身大の教員が多いのが一番なのかもしれません。

以上、教員による勝手な分析でした。

正解はオープンキャンパスなどで学生さんに聞いてみてください。