日別アーカイブ: 2017年6月17日

『ファースト先生が勧める渾身の○◯シリーズ!』(2)曲がったギター

みなさん、こんにちは! ポートアイランド事務室のNです。

前回の三好先生の多機能ウォッチはいかがでしたか?

さて、フロンティアサイエンス学部(FIRST)の教員のこだわりを紹介するこのコーナー、早くも(ようやく?)2人目です。

今回、渾身の逸品を紹介していただけるのは、フロンティアサイエンス学部長の藤井敏司教授です。学部長ですよ、みなさん。

紹介の品もぜったい学部長級ですよ(?)。

 

guitar1

N「わあ、今回はギターですね! どんなギターをご紹介いただけるのでしょうか?」

先生「フレットが曲がったギターです。」

N「あっ、わかりました。印刷がずれているお札は価値が高い的なギターですね!」

先生「違います(笑)。ちゃんと理由があって、あえて曲げて作られているんです。」

N「うぬぬ・・・。で、先生、そのフレットというのは・・・すいません、音楽のことは何にも知らなくて・・・下町育ちなもので。」

先生「ほら。」

 

guitar2

 

N「ほんとに曲がってる! すご~い。」

 

(みなさん、ここからはしばらく音楽の時間です。ちゃんと寝ずについてきて下さいね。)

先生「Nさんは平均律というのを聞いたことがありますか?」

N「・・・。」

先生「ほら、バッハの平均律クラヴィーア曲集とか、あるでしょう?」

N「・・・・・。」

先生「例えば『ド』から1オクターブ上の『ド』まで、ド・ド#・レ・レ#・ミ・ファ・ファ#・ソ・ソ#・ラ・ラ#、シ、ドの13種類の音がありますよね。その『ド』から『ド』までを12等分するような音律が平均律です。」

N「13個の音なのに12等分ですか? あっ、私得意なやつです。つるかめ算、ん? ちがう! 植木算ですね!」

先生「ギターでもピアノでもこの平均律が一般的に使われているのですが、ちょっと問題あるんですよ。」

N「何ですか?」

先生「和音がきれいにハモらないんです。」

N「えーっ? ピアノやギターではきれいな和音は弾けないということですか?ショックです。」

先生「はい、厳密に言えば。例えば、『ドミソ』の和音。ちょっと難しい話になりますが、完璧な響きにしようと思ったら、『ミ』と『ソ』は、『ド』の周波数(1秒間に何回空気がふるえる音か、という数字)のそれぞれ『5/4倍(1.25倍)』と『3/2倍(1.50倍)』でないといけないんです。」

N「平均律だと何倍になるんですか?」

先生「ミが1.259‥倍、ソが1.498‥倍です。」

N「はぁ、ビミョーに違いますね。その違いが・・・」

先生「そうなんです。周波数がきっちり割り切れる関係じゃないので、平均律のドミソが同時に鳴るときれいに混じり合わないんですね。」

N「でも先生、おかしいです。平均律は12等分するんだから、平均律の方が割り切れる数字になるはずじゃないですか?ドから6番目の『ファ#』」がちょうど1.5倍になるとか?」

先生「おぉ、するどいですね。では、詳しく説明しますが、ここでの等分というのは等比数列のことで・・・」

N「せんせー! 私には難しすぎます(泣)。でも、響きがきれいなギターということはわかりました。その響きをちょっと聞けたりしますか?」

先生「ははは、最近は全然練習してないので・・・」

 

guitar3

N「なんか、楽譜もジャカジャカじゃなくてボロロン、という感じなんですね。本格的ですね。」

先生「(笑)。Nさんのギターのイメージは、バッキングというんですが、フォークギターでコードをかき鳴らすような弾き方ですね。これはフォークギターじゃなくて、クラシックギターですからね。メロディも伴奏も1人でやらないといけないところが、難しいけどおもしろいところですね。」

N「えー、いいなあ、私もやってみたくなりました。才能ないですけど。」

先生「そんなこと、やってみないとわかりませんよ。」

N「わかります。昔、ギター教室に通ってたので。」

先生「えっ!?・・・やってたの・・・」

 

チーン

今回はここまで!学部長の特別音楽講義とNの黒歴史カミングアウトで終わってしまいました。

貴重な学部長対談、このまま終わらせません。

次回、渾身シリーズ番外編~学部長、ギターと出会う~をお届けします。