日別アーカイブ: 2011年4月28日

今週の2年実験

 今週の2年実験の様子をご紹介します。2年実験(科目名:ナノバイオラボ1A)は水・木曜日の午後に行われています。なお、1・2年生の実験は、ナノ・バイオ・ナノバイオの3グループにわかれてそれぞれの実験を行い、ローテーションすることによって半期で全テーマを行うかたちになっています。今回紹介するのはナノ実験とナノバイオ実験です(次回はバイオ実験を紹介します)。

ナノ実験【アルドール反応によるカルコンの合成】
 アルドール反応は、炭素原子と炭素原子の結合をつくる反応です。有機化合物の骨格は炭素でできていますので、アルドール反応はまさにその骨格をつくる反応として、とても重要な反応です。生体内でも糖の合成に使われています。
 実験しているみなさん、アルドール反応における求核体生成や求核攻撃、それから脱水によるα,β-不飽和カルボニル化合物生成のメカニズムは去年の講義で習得済みのはずですね .....忘れている人は復習しておいて下さいね。
 なお、下の画像はろ過によって生成物のカルコンをろ紙上に取り出しているところです。
CIMG3992
ナノバイオ実験【自分で設計したペプチドの固相合成】
 この日は、合成したペプチドの収量を分光光度計を使って求める実験をしていました。ペプチドには色素分子を結合させていますので、その色素分子による光の吸収を分光光度計という装置を使って調べてやることで、合成されたペプチドの量(収量)がわかります。左下の画像は、光の吸収とペプチドの濃度の関係(Lambert-Beer則)について書かれたテキストを見ながら、ペプチドの収量を計算しているところです。
nanobio_peptide
 また、右上の画像は蛍光光度計を使ってペプチドに結合させている色素由来の蛍光(発光)を確認しているところです。私「色素は何を付けたの?」学生「ダンシルです。あと、トリプトファンもあります。」私「ダンシルとトリプトファンが近くにあると・・・?」学生「FRETが起こります。」 うむ、よろしい。すらすらと学生が答えたので、指導にあたっている臼井先生もニコリ。
 なお、このあと、ペプチドが分解されるとダンシルとトリプトファンが離ればなれになり、FRETという現象が観測されなくなる、ということを確認する実験を行うそうです。

オープンキャンパスでの学生のプレゼン(3)

 先週末423日(土)に実施された春期オープンキャンパスでの「在学生による学部紹介」。前回までは石川真実さんの話を紹介しましたが、今回は、もう一人のスピーカー、吉田将敏君の話の内容を一部抜粋して紹介したいと思います。なお、石川さんも吉田君も新2年生です。吉田君はFIRSTを志望した経緯や、受験生に向けてのアドバイスを話してくれました。

「・・・・・私のFIRSTの出会いは、岡本キャンパスでの夏期オープンキャンパスで、フロンティアサイエンス学部(FIRST)のパンフレットを頂いて、その時はじめて、FIRSTの存在を知りました。パンフレットには最先端のテクノロジーが学べるということが書いてあり、その内容にとても興味をひかれたことを覚えています。そして、秋のある土曜日に私はアポなしでフロンティアサイエンス学部を訪問してみました。私は田舎者ですので、三宮という都会、ポートアイランドという人工島、神戸空港から飛行機が見えることなど、訪問した日の記憶は、今も鮮明に残っています。また、キャンパスの独特の外観が、とても印象的でした。その日は土曜日でしたが、運良く、学生実験が行われていて、見学にきた私も先輩方に混じって実験に参加させてもらえました。実験の印象は強く残っており、今までに見たこともない実験器具を上手に操作している先輩方の姿や、日が暮れるまでずっと頑張っておられる姿はカッコ良くみえ、それに加えて、突然見学に来た私にフレンドリーに話しかけて下さったことなど、その日に体験したことすべてが、FIRSTの魅力として感じられました。このFIRSTは、探していた自分に合った学部と感じ、その日以降、目指すべき目標となりました。・・・

opencampus2

「・・・・・また、受験勉強をしているときに陥りやすい悩みを解決するためのポイントとして、私が皆さんに薦めるのは、『自分一人でがんばっていると思わないこと』です。受験勉強も後半に差し掛かると、自分が何のために頑張っているのか、なんでここまで頑張らなくてはいけないのか、と疑問を抱いてしまうようになります。そんなとき、自分の周りには必ず、自分を応援してくれる家族、友達、先生がいるはずです。自分が見えなくなったときに、一度周りの応援してくれる人のことを考えることで、また頑張ってみようと思えました。特に家族の存在には、何度も助けられました。周りの人にも喜んでもらえるように頑張ろうと思うことで、つらかった受験勉強に打ち込むことができました。受験期を通して、周りの人たちへの感謝を持つことができました。今でも、その時の思いは残っており、大学での勉強で行き詰ったときの活力となっています。

 吉田君はご実家のある三重県からわざわざ見学に来てくれたのですね。FIRST(ポートアイランドキャンパス)は常時見学可能になっています。なお、「アポなし」の場合、対応できる教職員がいなくて最悪の場合ご見学いただけないケースも考えられますので、見学ご希望の方は、できましたら事前にポートアイランドキャンパス事務室までお問い合わせください。

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