月別アーカイブ: 2017年7月

これも実験の一コマです

マイラボの一角にあるガラス張りのミーティングルームにて。

ゼミの風景でしょうか?

Maeshimon

いえ、これは「前試問」といって、学生実験(授業)の一コマなんです。

実験の授業というと、手を動かす、何か、テクニック的なものを身につけるものと思われる方が多いかもしれませんが、実際には、それは一部にしかすぎません。

実験を通じて身につけること、それは文献調査力、計画力、観察力、そしてもちろん実験技術からレポートの書き方まで、それはたくさんあるのですが、そのいずれにとっても基礎となる大切なことが、「原理」を理解することです。

原理の学習を通じて教科書的な知識がより深く身につくということもありますが、それだけではありません。

原理を知らないと、うまく実験できないのです。

 

例えば・・・

試薬Aを試薬Bに加えるのか?

試薬Bを試薬Aに加えるのか?

 

たったこれだけの違いで結果が大きく変わることがあります。実験の原理を知らないと、自分で考えて正しく判断することができません。

「先生の指示が『AをBに加えて』だったから・・・」

というのでは、次もやはり自分で判断することはできませんね。先生に言われた通りに手を動かしているだけでは、だめなんですね。

 

そこで、実験の前に原理を徹底的に理解する、さらに、そういう習慣を身につける、ということを目的として、「前試問」が行なわれているわけです。

少人数教育を特徴とするフロンティアサイエンス学部(FIRST)ならではの教育メソッドですね。

なお、「前試問」は実験の前日までに、授業時間外に行われています。私は個人的に、これを、「将来、社会に出たら、『仕事』の前にどれだけ準備をしておくかで『仕事』の質に差が出るんだ」ということを学生たちに感じとってもらうため、と理解しています。

 

 


神戸ハーバーランドumieで実験教室&展示を行います

8月19日(土)に、神戸ハーバーランドumie(ウミエ)で、

『ワークショップ(実験教室)』&『展示(蛍光色素を光らせてみよう)』

を行います!

 

このイベントは、小さなお子さんのいらっしゃるご家族づれを対象にした、

神戸医療産業都市のPRイベント『けーびっくり!ランド』

の一環として実施。

 

ちなみに「けーびっくり」というのは、

神戸医療産業都市(ケービック (KBIC) = KOBE Biomedical Innovation Cluster)

に掛けたネーミングです。

 

では、われわれ甲南大学フロンティアサイエンス学部(FIRST)のイベント内容を簡単に紹介します!

(内容は変更になる場合があります。)

 

『ワークショップ(実験教室)』

小学生対象ですので、高校生・受験生のみなさんにはご参加いただけませんが、小学生の妹さんや弟さんがいらっしゃったら、保護者としてぜひどうぞ。

35804966 - demonstration of full ph scale in test tubes in a laboratory

(画像はイメージです。)

「フロンティアサイエンス学部の先生・学生と一緒に、実験をしよう! 色がいろいろ変わる、楽しい実験を用意しています。色素を使っていろいろなものの性質を調べたり、絵を描いたりします。勝手に色が変わる魔法の色素も!?」

10時から17時まで毎時0分開始で、所要時間は約30分です。当日、現地での参加申し込みが必要になります。

 

『展示(蛍光色素を光らせてみよう)』

こちらはどなたでもお楽しみいただけます。医療診断などに役立つ蛍光色素に、実際に紫外線ランプを当てて、光る様子をご覧頂けます。きれいに光る色素を見るだけでも楽しいですし、高校生・受験生の方なら、診断の原理に関する知識も。

Fluorescence_Fotor

(画像はイメージです。)

「がん細胞を見つけたり、アルツハイマー病を症状が出る前に診断したり・・・、FIRSTの研究テーマに深く関係する『蛍光色素』を展示しています。きれいな蛍光を見ながら、化学と医療診断の関わりの最前線に触れてみてください。」

 

みなさんのご参加をお待ちしています。

なお、会場は、先日『名物の「巨大からくり」復活』というニュースで話題になった、神戸ハーバーランドumie(ウミエ)のセンターストリートです。


今週は七夕

今週は七夕ですね。

甲南大学生協ポートアイランドキャンパス店では、七夕の短冊(願い事)を募集中です。

 

カラフルできれいな短冊ですが、本来は赤・青・黄・白・黒(紫)の5色で、これは中国の陰陽五行説(木・火・土・金・水)に基づいているそうです。

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面白いことにこのような五元素論は世界各地にあって、ほとんど同じなんですが微妙に違うんですね。

バビロニア・・・wind・fire・earth・sea・sky

中世錬金術・・・air・fire・water・earth・aether・(sulfur)・(mercury)・(salt)

古代ギリシャ・・air・water・fire・earth・aether

ヒンズー教/仏教・・・wind (air)・water・fire・earth・Akasha

日本・・・・・・地・水・火・風・空(くう)

 

中国の五行説はちょっと違いますが、上の五元素の共通部分は、

四元素・・・・wind (air)・water・fire・earth

ですね。もう10年位くらい前になりますが、ダン・ブラウン著の小説「天使と悪魔」でも事件を解決する鍵になっていました。

あと、これも古すぎて学生さんは誰も知らないと思いますが、「September」という曲で有名なアメリカのR&Bバンド「Earth, Wind & Fire」のバンド名の由来でもあります。

38907768 - flat design element icons, with long shadow

そして5番目の元素は、どれも「虚空」「空間」「天空」のような意味なのも面白いですね。ちなみに、aetherは化学物質名のエーテルの語源でもあります。

仏教では、上の五つ(五大)にもう一つ加えて六大というのも後に生まれたそうです。

「万物の祖」とされるそれは何でしょう?

 

「識」です。

 

「知識」ではなくて「認識」の「識」です。

(ちなみに「知識」は「認識の成果」です。)

辞書によると「物事を区別して知る。見分ける。また、その心の動き・能力。」・・・

・・・というわけで、学生の皆さん、大学での勉強は・・・。もう十分ですよね。

 

Tanabata_Fotor

さて、話は戻って七夕の短冊。

昨年は、友達のために “とても本人が書けないような恥ずかしい願い事” を代理で書いて飾ってあげるという、親切行為がありましてね。一部で大変盛り上がりました。

あくまでも友達のためを思っての行動ですが、本人は結構ダメージを受けていましたので、学生の皆さん、今年は絶対にやらないように。特に、先生の替え玉になって短冊を出すとかは、絶対にだめですよ。

絶対やで。