月別アーカイブ: 2012年12月

大阪府高等学校進路指導研究会の皆様がご来訪



11月20日、大阪府高等学校進路指導研究会から17名の先生方が、フロンティアサイエンス学部に視察研修にいらっしゃいました。

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 少人数体制やカリキュラムといった学部の特徴を説明させていただいたのちに、マイラボなどの教育・研究施設をご見学いただき、「いろいろな大学で“どういう学生を育てたいか”という話はよく聞くが、今回、“実際にどのように学生を育てているか”という話を初めて聞いた。」とのコメントをいただきました。

 フロンティアサイエンス学部では、 教育のソフト(カリキュラムや指導方針)とハード(マイラボや実験室などの施設)が互いにうまくリンクするようにつくってあるので、学部のことを良く知っていただくには、ご来訪いただいて直接ご覧いただくのが一番なんですね。

 2009年4月の学部開設から、まだ3年9ヶ月。少しでも多くの方々にこの学部の特徴を知っていただけるよう、個人・団体を問わず、見学や学部説明はいつでも歓迎しています。受験生お一人でも大丈夫です(実際にこれまでも、受験前後に、大学選びのために見学にいらっしゃるケースがよくあります)。

 ご関心がお有りの方は、ポートアイランド事務室までお問い合わせください。 (連絡先はホームページをご覧下さい。)


FIRSTスポーツの祭典

FIRSTにはレク委員というものがあり、新入生の歓迎会など、いろいろなイベントを企画、開催しています。今日は、去る9月5日に開催されたサッカー大会についてご紹介したいと思います。

企画したのは、2年生のレク委員である松野君と㟢本さん。

松野さきもと

神戸市立王子スポーツセンターを借りての開催でした。

サッカー1
 当日は、楽しく、そして大いに盛り上がったそうです。
 さて、次回は何のスポーツが選ばれるのでしょうか、楽しみですね。

サッカー2サッカー3
サッカー4サッカー5

 
 


高大連携(大阪府立大手前高校)

先週の金曜日(7日)、大阪府立大手前高等学校の1・2年生20名を迎えて、実験講義を行いました。実験テーマは「酵素のセンシングテクノロジー」。グルコースオキシダーゼやペルオキシダーゼといった酵素を利用して、”明るく光るかどうか(化学発光)” や ”濃く色がつくかどうか(色素生成)” によって、「血痕」「玄米の鮮度」「血糖値」などを検出・測定する実験を行いました。
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【コンサートのケミカルライトや夜釣りのウキでもおなじみの化学発光】

 この原理は、“目で見て判断できる診断ペーパー”として、市販の尿糖センサーや血糖センサーにも使われているんですよ。参加されたみなさんのアンケート回答をみると、最先端のテクノロジーお楽しみいただけたようですね。

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【 グルコースオキシダーゼとペルオキシダーゼ(酵素)の作用で色素がつくられる。グルコースの濃度が高いと、色素がより多くつくられるので、色が濃く見える。一番上の行を見ると、左から右に、色が薄くなっていく(つまりグルコースの濃度が低くなっていってる)のがわかる。 】

 このようにフロンティアサイエンス学部では実験講義や模擬講義をはじめとした高大連携活動を行っています。ご関心がお有りの方は、ポートアイランド事務室までお問い合わせください。

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【この画像は昨年12月のもの。昨年のテーマは「アゾ色素の合成とハロクロミズム評価」】

マイラボから垣間見える研究風景

FIRSTの一番のおすすめポイントは「マイラボ」です。
それについては、以前にその誕生のお話について紹介したことがありました。

 このマイラボには、一言では表せない我々教員の思いがたくさん詰め込まれています。
今回は、その1つ(動線と設計)についてご紹介したいと思います。

 理系として大学に入学すると、「将来、自分はどんな研究をするのかなぁ~♪」と夢膨らませた人も多くいるのではないかと思います。実際、私たちもそうでした。

 ただし、大学入学直後には一般教養の講義がほとんどで、専門科目も少なければ、研究室で最先端の研究をしている教授の先生方をみることもほとんどない環境におかれていました。そのため、研究ってどこでどんなことをしているのかすら想像だにできなかったことを覚えています。

 というのも、当時の大学は教養課程と専門課程に分かれており、講義を受ける講義棟と教授の先生方が研究を行っている研究棟は、全く違うところに建てられていました。また、教養課程を教える先生と専門課程を教える先生が別の先生であることも多かったと思います。そのため、研究室に配属される4年生になるまで教授の先生方の研究を知ることはありませんでした。「もっと早く知っていればあの授業を真面目に受けていたのに・・・」、「あの学生実験をちゃんとやってればよかった・・・」と配属された後に後悔したことも何度かあります。将来、何をするのか知らなかったがためにきちんと勉強できなかった、そんなことはできるだけなくそう! 研究を知っていた方が勉強のモチベーションも上がるはず! そんな思い(願い)も、教員による話し合いでは多く話し合われました。
その思いをどう具現化するのか、動線や設計などいろいろと話し合いできあがったのがこのマイラボです。

 これは、マイラボから見える教員の研究室がある研究ゾーンへの廊下です。

マイラボ廊下

 マイラボから数メートルの距離に教員の研究室があり、何か知りたいこと、聞きたいことがあればすぐにでも行ける環境にあります。(学生曰く、数秒で行ける、確かに手前の教員の研究室には5秒もあれば行けるかも知れません)

 また、これはマイラボの席から見える「フロアのグループ測定室」の風景です。

マイラボグループ

 廊下の先には各教員の研究室があるのですが、マイラボに一番近いところにはフロア共通のグループ測定室があり、その壁はガラス張りとなっています。マイラボに座っていると、グループ測定室の中で行われている研究が自然と目に飛び込んできます。FIRSTでは、1年生から一人ひとりに席があるので、ガラス張りの測定室の中で行われている研究のシーンがいつでも目に飛び込む環境になっています。「研究室に入った先輩たちは何やら高そうな機械を使って研究をしているんだぁ・・・。あれっ、そういえばこの前の学生実験で、あの機械使ったような・・・ もっときちんと使い方を学んどかないといけないじゃないか!」なんてことも考えるかも知れません。

 当然、教授の先生たちがどんな研究をしているか、直接、研究室に聞きに行くこともできたりします。私たちが学生時代には考えられなかったシステムがうまく具現化できたのではないかと思います。
いろいろなことを早いうちに知ることができれば、視野も広がりますし、学びたいことも明確になっていきます。夢を抱いて入学してきた学生さんたちには、多くのことを学んでもらって、将来、優れた研究者として活躍してもらいたいですね。

 そんな夢もマイラボには詰められているんです。今日は、その一端をご紹介いたしました。


今日の1年実験

今週のナノバイオラボベーシック(1年生の実験)の様子を画像で紹介します。

フロンティアサイエンス学部の1-2年生は、それぞれ3つのグループにわかれて、ナノ、バイオ、ナノバイオという3つの実験テーマを順々にこなしていきます。実験テーマは前期と後期で異なります。では、各実験の内容を紹介していきましょう。

【ナノバイオ実験】
人工甘味料アスパルテームの合成を行っています。 
今日行ったのは、アスパラギン酸とフェニルアラニンという2つのアミノ酸をカップリング(連結)させてペプチドを合成する反応です。アスパルテーム合成の山場です。反応に使用する試薬や途中で生成する物質は、空気中の水(水蒸気)と反応して分解してしまうので、反応容器には乾燥剤を詰めた管を取り付けています。また、試薬を加えるのにも、水蒸気に触れないように、注射器(ガスタイトシリンジ)を使います。
1年生にしては難しい実験ですよ。

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【バイオ実験】
バイオ実験の後期は生物学の基礎、顕微鏡観察をしています。

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【ナノ実験】
超微細回路作成に関連したナノテクノロジーの実験です。
金ナノ粒子を、ガラス基板の予備修飾した箇所だけに吸着させて、微細なパターンを形成させます。そこが、「電気が通る」微細配線になります。きちんと配線されているかどうか、マルチメーター(テスター)で調べます。  

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今日の内容は、ちょうど化学、生物、物理といった感じの内容でした。フロンティアサイエンス学部の学生は、このように、いろいろな分野の知識や技術を身につけていきます。そして、将来、それらを融合させることによって新しいテクノロジーを生み出すことのできる人材に育っていくんですね。