少人数制とその特徴

学生一人ひとりを教員が細やかに指導できる少人数教育体制

FIRSTでは、1学年45名の学生を14名の専任教員が指導します。高等学校では1クラスの生徒20~40名を1名の教員が指導していたことと比較すると、教員一人あたりが担当する学生数は極端に少ないことがわかります。FIRSTにおける学生定員数(Student)に対する専任教員数(Teacher)の比(ST比)を算出すると3.2となり、同じ生命科学系の学びを提供する他の大学と比較しても小さなST比、つまり少人数体制で、教育、研究が行われていることがわかると思います。

FIRSTの定員は45人で、すべて合わせても180人程度と他の学校と比べて学生数は少ないです。そのため、同級生や先輩、後輩、先生方とはマイラボでいろいろな話をしています。マイラボの会話では、知らず知らず、自分に必要な情報も集まってきます。例えば、自分がこれから履修しようと思っている授業がどんな内容で、自分に必要なものかどうかを先輩との会話から知ることもできます。また、マイラボの隣には先生方の研究室もあり、授業でわからないところがあればすぐに質問にも行けます。学生数が少ないので先生方も顔と名前を覚えていて、いつでも気さくに話しかけてもらえます。人数が少ないことが寂しいと感じられるかもしれませんが、意外と他の学校よりも真にはなせる友達などは多いのかもしれないと私は思っています。

山田 陸登(5期生、私立甲南高等学校出身)

指導主任制と指導主任面談

FIRSTでは、入学した学生全員に1名の指導主任と、2名の副指導主任が割り当てられます。FIRSTにおける指導主任は、日頃から学生の進路・履修の相談、学修相談などを受け持つとともに、副指導主任とともに年2回、指導主任面談を行います。

指導主任面談では、学生生活や学修に関する聞き取り調査をするとともに、学生の抱える講義、実験、生活に関する不安や問題点を聞き取り、改善することも目的としています。

フォローアップサポート

大学の講義は専門的な内容が多いため、予習をして講義を受けただけでは理解できないこともあるかもしれません。また、受講した講義に関する基礎知識が、高等学校における理科履修科目によっては、不足している場合もあるかもしれません。そのような場合、講義を担当する先生のところへ行き、わからないことを聞くことは不可欠です。

一般に大学では、講義毎、教員毎に「オフィスアワー」と呼ばれる時間帯が設けられいて、教員がその時間帯に学生の質問に対応します。これは、一般の大学では、講義を受ける講義棟と、教員の居室がある研究棟が離れて立地しているため、いつ先生がいるのか、学生に明示する必要があり、その結果生まれたシステムです。一方、FIRSTではマイラボのすぐ隣に教員の居室、研究室が併設されているため、オフィスアワーは随時です。教員に時間がありそうであれば、いつでもドアをノックし、わかるまでトコトン質問をすることができます。

また、学生からの要望があれば、「キャッチアップセミナー」や「アドバンストセミナー」も開催され、授業に追いつく復習だけでなく、授業の先にある研究に直結した知識を得るセミナーも充実しています。

テスト前に行われるキャッチアップセミナーでは、希望者が集まって授業で分からなかったことを教えてもらったり、テスト対策として先生が用意した練習問題を解いたりします。私が以前に参加した有機反応各論のキャッチアップセミナーでは、先生にホワイトボードを使って化学反応の反応経路を詳しく、丁寧に説明してもらえ、大変助かりました。その際、試験問題例を解くこともあり、自分がどこまで授業の内容を理解しているかも知ることができました。キャッチアップセミナーは大体1コマの時間帯で行われることが多いですが、後に授業が無いときは20時くらいまで先生が付き合ってくれることもあります。みんなが最後までわからなくて悩んでいた問題があって、先生から解くためのヒントをもらい、実際に解けたときの達成感は今でも覚えてます。(キャッチアップを受けていた全員が「あーそういうことか!」となりました)。

光田 陽香(4期生、私立百合学院高等学校出身)

アドバンストセミナーは、応用を学ぶセミナーです。私は研究室に配属後、論文や学会発表で使うタンパク質の表示法を習うためにこのセミナーに参加しました。セミナーでは、タンパク質の立体構造を三次元(3D)画像で見ることができる「プロテインデータバンク(PDB)」の使い方、そして、「UCSF Chimera」というPDBから得たタンパク質画像を編集できるソフトウェアの使い方を教えていただきました。このソフトウェアは自分のパソコンで使うことができ、また、表示法、表示色を変えられるなどコマンド編集も充実していて、自分が欲しい図を自在に作成することができます。家での資料作成も捗り、とても重宝しています。自分の研究を誰かに伝える時、図はとても重要で、図の見せ方によって伝わり方も大きく変わります。このセミナーを受けたことで、そういった研究の見せ方も学ぶことができ、とても実用性の高いセミナーだったと感じています。

髙木 琴味(1期生、私立大阪信愛女学院高等学校出身)

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