マイラボ

大学における「学び」・「研究」の拠点、マイラボ

高校では、教室に自分の席が用意されており、授業のほとんどは自分の席で受講することができます。しかし、大学では、研究室に所属する4年次までは自分の席というものはなく、聴講する授業にあわせて大教室を転々と移動することが一般的です。ここで問題となるのが、大学における授業時間割です。朝から夕方まで授業で埋められていた高校の時間割と異なり、大学では自分で受ける講義を自分で決めるため、授業と授業との間に空き時間ができることも珍しくありません。従来の大学ではこの空き時間に、大学での自分の居場所がなくなることが悩みの種でもありました。

そこでFIRSTでは、入学した学生一人ひとりに学びの拠点となる「マイラボ」を用意しました。マイラボとは、大学生活における学びと研究の拠点として使う空間で、自分専用の机とロッカーが配備されており、いつでも自由に利用することが可能です。

マイラボの特徴

Point 1 学生一人ひとりに充実の設備

マイラボには、1年次~3年次のすべての学生に自分専用の机と椅子、ロッカーが用意されています(3年次後期以降は研究室に席が用意されます)。机には引き出しも完備されており、教科書や参考書、配付されたプリント等を整理して収納することができます。加えて、ダイヤルロック式の専用ロッカーも一人に一つずつ用意されており、ノートパソコンや貴重品の保管も安心して行えます。また、マイラボには無線LANが整備されており、ノートパソコンを利用したインターネット検索や大学のポータル情報サイト(My KONAN)への接続なども自由に行えます。この自分だけの専用スペースでは、授業の予習や復習、試験勉強、ノートパソコンを利用したインターネット検索、レポートの作成などができます。

Point 2 4つの研究分野を自由に行き来できる

マイラボは、研究分野ごとに分かれた4つのフロア(3F~6F)にそれぞれ設置されています。入学した学生はずっと同じ席に座っているわけでなく、半年に一度、違うフロアへ引っ越しを行います。この引っ越しには2つの理由があります。

  1. 学生は一日のほとんどをマイラボで過ごすため、同じフロアの学生と仲良くなっていきますが、同じ席に座り続けると交友関係は広がりません。引っ越しでは、フロアで一緒に過ごしていた学生と違うフロアへ移動していくので、半年ごとに違うフロアで新しい学生と話す機会が増え、交友の幅は倍々に広がっていくのです。加えて、上級生や下級生も引っ越しするため、年代を超えた交流も広がります。この引っ越しでは、2年間かけて4つのフロアすべてを巡ることができます。
  2. マイラボは4つの研究フロアに分散して設置されています。各フロアでは、バイオサイエンスナノバイオサイエンスナノサイエンスケミカルサイエンスを主たる研究分野としているため、研究スタイルも研究内容も違います。マイラボに隣接する測定室はガラス張りとなっており、マイラボで過ごす中で様々な研究分野に自然と触れることができ、将来、自分が手がける研究に出会うきっかけがあるかもしれません。

マイラボは、自分専用の机、椅子が用意された場所ではなく、自分の将来を見つけることができる未来の可能性がたくさん詰まった場所でもあるのです。

Point 3 コミュニケーションの場

研究ゾーンに隣接したマイラボは、動線上、教員や大学院生が頻繁に通りかかる場所になっています。マイラボに立ち寄った教員や大学院生に現在取り組んでいる研究内容を聞いてみたり、自分の進路や取り組みたい研究について相談したり、授業でわからないことを質問するなど、人と人とのコミュニケーションの場としても利用することができます。また、マイラボでは、1~3年次の学生が同じスペースを共有し、また、隣接する机には異なる学年の学生が座っているため、同級生だけでなく、上級生、下級生とも親交を深めることができます。レポートの作成でわからないことを質問して、先輩や教員から専門的な知識や技術を教えてもらったり、履修の相談なども行われています。また、マイラボにはミーティングルームもあり、試験前に、同じ授業を履修している学生と一緒に勉強したりすることもできます。このように、マイラボは学年の垣根を越えたコミュニケーションの場としても活躍するのです。例えば、友達と話すことも苦手と思う学生も、このマイラボで数年間過ごす中で自然とコミュニケーション能力が高まり、協調性が養われていきます。まだ開設して6年目を迎えた新しい学部ですが、後輩は先輩からの知識や経験を受け継ぎ、先輩は後輩に教えることで指導能力やリーダーシップを脈々と受け継いでいます。

Point 4 「わからない」をなくせる環境

マイラボは研究ゾーンと隣接しており、わからないことがあればいつでも教員の研究室のドアをノックして質問することができます。マイラボと教員の研究室との距離は数メートル、移動時間にしてわずか数秒です。思い立てばいつでも質問に行くことが可能です。理系では、身の回りの様々なことに疑問をもち、それらに興味や関心をもって調べたり、わからなければそれを同級生や上級生、教員などにわかるまで聞くことは非常に重要なことです。これは当然、講義に関しても当てはまります。FIRSTでは、研究棟と講義棟が一体となったキャンパスとなっており、学生はその中にあるマイラボにいます。わからないところを聞ける環境があることも学生が理系としての素養を身につけていくのにとても役立っています。講義に関しては、教員によるキャッチアップセミナーが開催されており、授業での不明点や苦手分野の克服もサポートしています。

(写真の左手前から)

隣に座っている先輩方にはいつも助けてもらっています。先輩方はいい人が多く、大学や勉強でわからないことがあれば教えてもらえるし、良い相談相手になってもらってます。

山田 有咲(6期生、兵庫県立社高等学校出身)

自習するのに最適なスペースだと思います。マイラボでは各自に机がもらえるのでそこを自分色に変えて自分だけのマイラボにするなどもマイラボを利用する楽しみの一つです!!

藤本 聖也(6期生、兵庫県立加古川西高等学校出身)

マイラボには自分の席があるのですが、隣の席には同級生でなく先輩が座っているので、すごく短期間のうちに先輩と仲良くなれます!!
他大学や他学部では先輩とこんな短期間に仲良くなれる環境はないんじゃないかと思います。

伊藤 功彦(6期生、私立甲南高等学校出身)

朝から夜までみんなと一緒に過ごせるので仲も深まるし、勉強への意識も高まります。先輩との関わりも多いのでテスト前はわからないことも教えてもらえます。このマイラボがあるから毎日をとても楽しく過ごせてると思います。

富永 梨花子(6期生、私立滝川第二高等学校出身)

常に自分の居場所があるので、あいている時間に勉強できたり、レポートを作成できたりするのがありがたいです。

濱上 智帆(6期生、神戸市立葺合高等学校出身)

マイラボでは僕たち学生は4つの階で分かれて座っています。テストではこの階同士が成績で争う対抗戦などもあり、すごく短期間でも考えら得ない程、団結力が高まります。

荒田 優磨(6期生、大阪市立高等学校出身)

普通、大学では自分の席はありませんが、FIRSTには自分の席があります。隣や向かいに座っている先輩や同級生ともすごく仲良くなれますし、マイラボは何よりもリラックスできる場所なので、自分にはプラス要素しか思い浮かびません。

井上 康平(6期生、兵庫県立伊丹北高等学校出身)

マイラボには僕たち全員に席が用意されていて、夜まで自由に使うことができます。周りにいる先輩とも自然と親密になって仲良くなれるし、授業の間や放課後に自習をするのにもいいところです。もし、勉強していて他人の話し声で勉強に集中できなくても、防音されたミーティングルームもあるので安心です。

神田 一将(6期生、私立上宮高等学校出身)

マイラボスカラシップ制度

FIRSTでは、マイラボを学習や教育に活用した結果として、優秀な成績を修めた学生や、共に学び、教え合って頑張ったマイラボの学生に奨学金を給付する制度「マイラボスカラシップ制度」があります。マイラボスカラシップ制度とは、甲南学園の創始者である平生釟三郎の教育理念「人格ノ修養、健康ノ増進ヲ第一義トシ、個性ヲ尊重シテ天賦ノ特性ヲ啓発スベク、知的教育ヲ施サン」を基本とし、FIRSTの学部目標である「徹底した少人数教育により先端科学技術に関する専門的な知識と技能を授け、さらにその基幹である科学を探究する研究の能力と、先端技術を社会の発展・福祉の増進に活かす応用の能力を養うこと」を達成するにあたり、マイラボを活用して教育・研究活動に取り組んだ人物が優れていると認められる者を表彰し、奨学金を給付するものです。

この奨学金では以下の3つの種類を設けています。特に、マイラボ対抗優秀賞奨学金は、このマイラボで教え合い、共に学ぶことを推奨する奨学金となっています。

  • 平生精神高揚特別表彰奨学金
  • マイラボ対抗優秀賞奨学金
  • ナノバイオ卒業研究発表優秀賞奨学金
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