研究・実験環境(設備、機器等) | 甲南大学 フロンティアサイエンス学部生命化学科

研究・実験環境(設備、機器等)

学生実験室

FIRSTでは、講義で学んだ専門知識を3年次以降に始まる研究活動に直結させながら学べるよう、1年前期から生物学、化学に関する種々の専門実験がスタートします。また、その専門実験において、学生全員が実験技術をしっかりと学べるよう、学年を3つのグループに分け、5週ずつ、生物学、化学に関する実験に取り組んでいきます。1学年35名の定員を3つに分けるため、さらに少人数で実験に取り組むこととなり、全員が必ず実験機器に触れ、扱うこととなります。

学生実験では、化学系の実験を行うナノ実験室(204号室)、生物学・化学系の実験を行うナノバイオ実験室(205号室)、生物学系の実験を行うバイオ実験室(206号室)の3つの実験室を用意し、それぞれの実験室には研究室や企業で使うものと同じ実験設備、機器、環境が整えられています。また学生実験で共通して使用する機器が設置された共通測定室(207号室)もあり、学生実験であっても本格的な実験を行うことが可能です。

例えば、各実験室に設置された研究機器には以下のようなものが設置してあります。

ナノ実験室(204号室)

  • ドラフトチャンバー:5台
  • エバポレーター:6台
  • 接触角測定装置:1台
  • ガラス細工用ガスバーナー:1台

ナノバイオ実験室(205号室)

  • ドラフトチャンバー:4台
  • エバポレーター:2台
  • 高速液体クロマトグラフィー:2台
  • 紫外可視分光光度計:2台

バイオ実験室(206号室)

  • クリーンベンチ:5台
  • 細胞培養用CO2インキュベーター:4台
  • 電気式遺伝子導入装置:1台
  • 位相差顕微鏡:5台
  • 実体顕微鏡:15台
  • 高性能正立顕微鏡:15台
  • PCR用サーマルサイクラー:3台
  • 電気泳動用ゲル撮影装置:1台
  • 高速冷却遠心機:2台
  • 恒温振とう培養機:2台
  • オートクレーブ:1台
  • 乾熱滅菌器:1台

共通測定室(207号室)

  • 紫外可視分光光度計:5台
  • 分光蛍光光度計:1台
  • フーリエ変換赤外分光光度計:1台

大型研究機器

学生実験室に限らず、FIRSTには生命科学研究を推進するのに必要な大型研究機器も充実しており、研究室に所属する学部4年次や大学院生はもちろん、学部1~3年次の学生実験でもこれらの機器の多くを利用しています。

例えば、以下のような大型研究機器が設置してあります。

核磁気共鳴装置

核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance, NMR)装置とは、原子核を磁場の中に入れて核スピンの共鳴現象を観測することで、物質の分子構造を原子レベルで解析するための装置です。一般的には、複雑な有機化合物の化学構造の決定(H、C、N などの結合状態、隣接原子との関係など)に用い、試料の有機化学物質を非破壊で測定できることが特徴です。また、構造決定だけではなく、分子間および分子内相互作用、分子の運動性などの情報を得ることもできるため、化学のみならず、生命科学や材料化学といった幅広い分野で利用されています。サンプルとしては溶液や固体、ゲル、エマルジョンなどが対象で、特別な前処理は不要です。

電子スピン共鳴装置

電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance, ESR)装置とは、磁場中に置かれた不対電子の状態を観測するための装置です。ESRを測定することによって不対電子の存在、その量、種類、性質、周囲の環境、挙動などについての情報が得られ、金属・半導体などの材料評価や、金属タンパク質・ビタミンなどの生体成分のキャラクタリゼーションに用いられています。さらに、生体内の活性酸素ラジカルや一酸化窒素関連物質を検出するための優れた分析手段として注目されています。

全自動細胞解析・捕集装置

この装置はフローサイトメトリーと呼ばれる分析手法に用います。蛍光物質によって標識した細胞を細い管内を通し、その際にレーザー光を照射して一つ一つの細胞の蛍光強度を測定します。さらに、蛍光強度が異なる細胞を捕集するセルソーターとしての機能も併せ持っています。個々の細胞の形態や分化、細胞周期などの情報を得ることが可能です。

リアルタイムPCR装置

PCRは任意のDNA断片を2のn乗に増幅するシステムです。極微量のDNAを増幅できるため、現在の分子生物学を大きく発展させた手法です。本機器はDNAの増幅を反応サイクルごとにリアルタイムで記録できる装置であり、高感度で正確にDNAを定量できます。また、逆転写反応と組み合わせることにより、生体におけるmRNAの発現を短時間で調べることが可能です。

蛍光顕微鏡

直接目で見られないほど小さな生物や細胞を拡大し、その微小構造を観察する道具として、顕微鏡は昔から生物学に欠かせないものです。標的とする分子を蛍光物質で標識し、その蛍光物質に特定の波長の光を当てると、目的の分子のみが蛍光を発して浮き出てきます。蛍光顕微鏡はこの蛍光現象を利用することで、生きた状態の細胞内や生物内で見たい分子だけを選択的に色分けし、観察することができます。蛍光顕微鏡観察により、目的の分子が生物体内のあるいは細胞内のどこに、いつ、どれだけ存在するのかを調べることができるため、蛍光顕微鏡は生物学、医学、検査などの分野では欠かせない装置です。

走査型電子顕微鏡

光学顕微鏡では、観察したい対象に可視光線を当てて拡大するのに対し、電子顕微鏡では可視光線の代わりに電子線を当てて拡大する顕微鏡のことです。光学顕微鏡の分解能の限界は、可視光線の波長によって数百ナノメートル程度に制限されており、ウイルスや細胞表面のタンパク質などそれより小さな対象を観察することはできません。一方、電子線の波長は可視光線よりずっと短いため、その分解能は数ナノメートル程度です。つまり、電子顕微鏡では光学顕微鏡では見ることのできない微細な対象を観察できるのが利点です。

走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope, SEM)は電子顕微鏡の一種であり、電子線を照射することで放出される二次電子・反射電子・X線などを検出することで、試料の表面を立体的に観察するものです。SEMでは細く直線的な電子線の軸を少しずつずらしながら照射することで試料の表面を網羅的に走査し、表面全体の詳細な情報を得ることができます。SEMはナノテクノロジーだけではなく、生物学にも応用されています。

透過型電子顕微鏡

透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope, TEM)は、観察したい試料に電子線を照射して、透過してきた電子の情報から物質の組織や構造を観察するための顕微鏡です。走査型電子顕微鏡が物質表面の情報を得るのに適しているのに対して、透過型電子顕微鏡は物質内部の情報を得るのに適しています。対象物質はナノ粒子から細胞や組織など多岐にわたります。

光電子分光装置

光電子分光(photoelectron spectroscopy)とは、固体に一定エネルギーの電磁波をあて、光電効果によって外に飛び出してきた電子のエネルギーを測定し、固体の電子状態を調べる方法です。光電子分光装置とは、この現象を利用し、飛び出した電子の数と運動エネルギーを測定することで物質中の電子が占有する状態のエネルギーと状態密度を知ることができる装置です。本装置では、主に半導体、金属・合金、セラミックス、高分子などの化学物質が測定対象になります。

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