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サイエンスライブチケット(講演編)

秋は講演会のシーズン、というわけではありませんが、ポートアイランドキャンパスでは、このところ毎週、講演会が催されています。

フロンティアサイエンス学部では、他大学や企業の方々を講師にお招きする講演会を「サイエンスライブチケット」と名付け、学生たちにも1年次から気軽に「科学の最前線」に触れる機会をもってもらうことにしています。

普通、このような専門的な内容の講演会は、4年生以上になってから研究室の先輩に連れて行かれるものだと思いますが、「サイエンスライブチケット」は自分たちの「マイラボ」のすぐ上でやってますので、好奇心さえあればふらりとのぞいて聴講することができます。

さすがに1年生だと最初のうちはチンプンカンプンかもしれませんが、2年生にもなると「講義の内容と最前線の内容がリンクする」ようになってくることと思います。 

本日の講師は、大阪大学大学院薬学研究科の小比賀聡先生。

SLT
「次世代医療に向けた核酸医薬の最前線 - DNAをくすりにする最新技術 -」

最先端の内容を、学部学生向けにやさしくお話し下さったので、1年生もポイントがつかめたのではないでしょうか。聴きにこなかった学生さんは、もったいなかったですよ!

ちなみに、先週はサイエンスライブチケットの講師はブリティッシュ・コロンビア大学(バンクーバー)のPierre Kennepohl先生。

SLT3
SLT2
「Transition metal adducts of singlet dioxygen: a new paradigm for O2 chemistry?」

学生向けに大変わかりやすい英語で話して下さいましたが、内容は非常に専門的で、しかも応用系の話ではなくPure Chemistry。これは、学部の学生にはちょっと難しかったかな。


サイエンスライブチケット(学会発表編)

FIRSTの学生実験は、1年生から実践的なプログラムが実施されます。
1,2年生の間は生物から化学にわたる基礎的な操作を幅広く学び、基礎的な技術を習得します。そして、3年生になるとステップアップして学生実験を担当する教員の指導の下で、半年間、研究テーマを与えられ、それに取り組みます。

良い結果が出れば、学会発表や論文発表のチャンスも生まれます。

今回は、3年前期の学生実験科目(ナノバイオラボ2A)で得た研究成果を、茨城県のつくば市で開催された第5回バイオ関連化学合同シンポジウムにてポスター発表してきました。ポスター発表会場は多くの参加者がおり、学生さんたちのポスターの前にはたくさんの人が集まり、90分間自分たちの研究成果を説明し続けていました。

中川勢旗

参加してみた学生さんに学会発表の感想を聞いてみました。

〔勢旗君の感想〕
 ポスター発表に向けて、一緒に発表した中川君とお互いの発表内容に対して質問をし合いながら練習を重ねました。実際に発表してみると、自分がこだわってい
たポイントでないことについてよく質問されました。自分が実験をしながら重要だと思っていたことはあまり聞かれず、聞く側の興味と実験する側にはギャップ
があるんだなぁ、と思い、今後実験する際は、実験する時にもそのようなことを考慮しなければならないと強く思いました。また、人に伝えるのは、相手
の気持ちや状況を考えないとうまく伝わりにくいことも強く感じました。相手がこの分野に詳しい方の場合は、懇切丁寧に説明してもイラつかせるだけでしたし、詳しくない方のときには逆に要点のみ説明しても理解してもらえないこともありました。そのことから、説明は一方通行ではなく、相手の反応を見ながら、
説明の詳しさや話す速さを変えることの重要性を感じました。
 ポスター発表をした中で唯一心残りなところは、実験中は考えもしなかった観点から質問も受け、それに対して適切な回答ができなかったことで、それが今でも悔しいです。次に発表する際には、これを教訓にして、すべての質問に答え、もっとうまく説明したいと思っています。

 学会発表は何度しても慣れないものです。しかし、発表の経験を次に活かしていけばきっとうまいプレゼンもできるようになるはずです。この向上心で今後も頑張って欲しいですね。


一般公開、ご来場有り難うございました。(2)

本日のフロンティアサイエンス学部一般公開では、雨天にもかかわらず、600名を超える皆様にご来場いただきました。ありがとうございました。

至らない点もあったかと思いますが、もし、ナノやバイオに少しでも関心を持って頂けたとしたら、また、公開内容やイベントを楽しんでいただけたとしたら、これに勝る幸せはありません。

前回の「実験体験教室」の紹介に引き続き、「研究展示」「模擬講義」「DNAカードゲーム」「PCで描く!分子構造の携帯待受画像」の模様を画像で紹介させていただきます。

顕微鏡
(顕微鏡でいろいろな生物を観察していただきました。)

BZ

(周期的に色が変わる不思議な反応。原理を解説中です。) 

アルツ

(模擬講義:「アルツハイマー病、早期診断で快適な生活を」。やはり、今回のイベントには、医療に関心をお持ちのご来場者が多いようでした。)

PC1

(PCで描く!分子模型の携帯待受画像: 子供さんはあっという間に、ソフトウェアの使い方をマスターしてしまいます。現在、タウリンの分子構造を描画中。)

PC2

(描いていただいた分子構造は、三次元に変換し、くるくる回転させて、その動画(アニメGIF)を携帯電話に送信させていただきました。携帯電話の壁紙が、自分が描いた分子構造だなんて、ちょっと他にはいらっしゃいませんよ。)

DNAカード

(対戦! DNAカードゲーム: DNAの組み合わせによってアミノ酸を合成してポイントを稼ぐカードゲーム。幼稚園児から大人まで、多くの皆さんにお楽しみいただきました。小さなお子さんは、遺伝子異常カードの出現に「ちょっと怖そう」。)

 理科離れという言葉もありますが、 きょうご来場の子供たちの中には、分子構造の資料を見ながら「周期表全部おぼえた。ランタノイドとアクチノイドはちょっと自信無いけど。(← そりゃ、大学教員でも自信ありません)」という小学生や、「グリニャール反応、知ってる(← 大学の化学で習います)。ほかにも、○○反応、○○反応・・・」という小学生 も。

 このように理科が”超”大好きな小学生から、初めて理科実験に触れる小学生、さらには、理科とは無縁、あるいは遠ざかって久しいという大人の方まで、多くの方々にさらに楽しんでいただけるよう、来年に向けて計画・準備を進めて参ります。

 来年、またのご来場をお待ちしています。 


一般公開、ご来場有り難うございました。(1)

本日のフロンティアサイエンス学部一般公開では、雨天にもかかわらず、600名を超える皆様にご来場いただきました。ありがとうございました。

至らない点もあったかと思いますが、もし、ナノやバイオに少しでも関心を持って頂けたとしたら、また、公開内容やイベントを楽しんでいただけたとしたら、これに勝る幸せはありません。

一般公開の「実験体験教室」の模様を画像で紹介させていただきます。

実験体験

(実験体験教室の会場: 大腸菌培養や細胞移植技術体験などのバイオ系のものから、電子顕微鏡体験などのナノ系のものまで、計7つの実験テーマをご用意しました。)

銀鏡反応

(ガラスを鏡に変える!: 銀鏡反応の化学実験。内側が銀でコーティングされた試験管、子供たちもうまく作ることが出来ました。)

細胞移植2

細胞移植
(細胞移植技術を体感する! : 再生医療に欠かせない、ハイドロゲルと細胞を使った実験を体験していただきました。細胞なんて聞いたことがない、という子供たちも、ぷるぷるしたゲルを見て、本格的な実験装置を触って、実験の雰囲気を楽しんでもらえたかな。)

DNA2

DNA1
(見てみよう、持って帰ろう、自分のDNA! : 頬の内側から細胞をこすり取って、そこからDNAを抽出しました。溶液の中にふわふわと浮いている自分のDNA、皆さん、見えましたか?)

ルミノール
(ルミノール反応で米の鮮度をはかる : 化学発光を使って、新米と古米を見分ける実験をしました。この実験を活かせば、新米偽装も見破れます!?)
HPLC
(ゼロカロリー飲料の成分分析 : 高速液体クロマトグラフィーを使って、ゼロカロリー飲料中の人工甘味料アスパルテームの含有量を測定しました。同じコーラでも、C社とP社ではこんなに量が違うのか! という結果が。この違いが、味の個性になっているのでしょう。)

大腸菌1
(大腸菌の培養: バイオテクノロジーには欠かせない、滅菌操作や植菌操作を体験していただきました。お持ち帰りいただいた寒天入りのシャーレ。数日後にあらためて観察すると、「手のひらって、こんなに菌がいたんだ!」と実感していただけます。) 

TEM

 (ナノの世界を観る: 金(gold)のナノメートルサイズの粒子を作製していただき、それを電子顕微鏡で観察していただきました。真っ暗な部屋で操作する電子顕微鏡・・・ 研究の雰囲気を味わっていただけたのではないでしょうか。)