少人数クラスの絆


「学部の定員はどのくらいがいいだろう?」

新学部・フロンティアサイエンス学部の構想を練っていた若手教員(といってもアラフォーですが)で議論を交わした一つの結論が35名でした。議論を交わしたと書きましたが、実は議論らしい議論はなく、「35~40名なら、全員が互いを知っているという集団になる」というのが一致した見解でした。そのメリットはいろいろありますが、ひとつは絆、といえるでしょう。

先日、A期末試験打ち上げのレクリエーションが行われましたが、その企画、準備、運営のチームワークをみて、「この子たちは卒業後どこに行っても活躍できる」と強く感じました。

この絆が大きな財産になるのは、卒業の後です。まだ、FIRSTには卒業生がいませんので、ほぼ同じ規模の学科(ブログ管理人の出身学科)のエピソードを書きたいと思います。1学年40名の学科です。

昨年、学科設立50周年を記念して全体同窓会があったのですが、同級生はもちろん、上下の学年まで久しぶりに会うのが懐かしく、親しく話すことができるのは、少人数ならではのことだと思いました。(FIRSTはマイラボがあるから、上下の繋がりはさらに強いでしょう)。

いくつかの世代がスピーチをしましたが、そのうちの1人は、卒業後に起業した20代の女性。化粧品企業の研究開発の部署に勤めていたのですが、もっとカスタマー寄りの仕事がしたいと、一念発起、会社をやめて自ら起業したのだそうです。しかしぜんぜんうまくいかず、開店休業状態。そんなとき、同級生から久しぶりに会おうと声が掛かって集まったところ、「○○ちゃん、みんな応援しているよ」と封筒が。同級生が声を掛け合って資金集めをしてくれたそうなんです(その額○十万円!)。

envelope

その資金を手にしたときに、みんなの気持ちを無駄にはできないという思いから、仕事に対する考え方や行動が、がらりと変わったというんですね。それまでの甘さが消えて、仕事がうまく行き始めたというんです。いやあ、私、それを聞いて感動しました。ますますその学科への愛着が湧きました。在学中はあまり感じたことなかったんですが(笑)。

FIRSTの学生たちには、卒業後、どんな絆が生まれるんだろう。FIRSTが、卒業後にさらに愛されるなるような学部になればいいなあ。