研究室取材 〜川上純司先生〜


記念すべき第一回の取材は、川上純司先生の研究室です!

 

川上先生は遺伝子薬学を専門として研究されており、薬理学や遺伝子工学・バイオテクノロジーなどの科目を担当されています。気さくで明るい性格のため、学生とすぐに打ち解ける先生です。テスト前にはキャッチアップセミナーを開き、丁寧に分かるまで付き合ってくれます。

 

そんな川上先生へ取材する日に私は学生証を家に忘れ、武本さんは最後の打ち合わせの集合時間に10分遅刻し、須賀さんはカメラマンなのにカメラを忘れました。カメラがないカメラマンって何ですか?

数々のトラブルをなんとか乗り越え、やっと川上研へ…!

 

全員「失礼しまーす!」

川上先生「はーい」

 

ではでは、早速取材開始!

川上

 

武本「まず、先生の研究のコンセプトって何ですか?」

川上「コンセプトは薬学です。まず、”薬が効く”とは、生体内で生体分子(タンパク質など)に化合物(薬)が結合して働きかけることやけど、それは薬理学の授業で習ったやろ?」

 

武本「は、はい…ハハ」(なぜか弱々しく返事)

川上「自分は薬学の本質を分子同士の相互作用(物質がくっついたり、離れたりすること)だと考えていて、まずこの相互作用を定量化しようとしています。」

武本「定量化…?」

 

相互作用を定量化するって言葉は難しく感じますよね。例えば物質A,Bがあるとき、物質Aに物質Bがどれだけ強く結合するかを数値(エネルギー値、平衡定数、反応速度などなど)として扱えるようにするという意味だと思います。(あいまい)

 

川上「どんな実験でも適用できる数字をデータ化したい。そして、そのデータから良い薬(特異性の高い薬)を作るための情報を研究室から提供することが研究の目的です。」

武本「ハハ…」(難しくなって笑っている)

 

特異性も、よく耳にする言葉です。なぜ特異性が高いほうがいいのでしょうか?

まず、特異性が高いとは、例えば物質Aは物質Bにしか相互作用しないということをいいます。逆に何でもかんでも結合したりする物質は特異性が低い(非特異
的)のです。薬が生体のあちこちに結合してしまうのは、副作用の原因になるため、薬には高い特異性が必要なのです。ある分子と分子の結合の強さや特異性を
知るため、数値化したデータを指標にできるよう先生は研究しているのだと思います。(あいまい)

 

須賀「その情報をどこかの企業に売るのですか(笑)」

須賀さん、お金に汚いと思われますよ!実際に汚いと思うけど!

川上「売らんわ」

論文として色んな人に情報を提供したいとおっしゃられていました。聞きましたか、須賀さん。

 

武本「具体的にどんな研究を?」

川上「どんな実験系でも利用できる研究データを出すことが目的だから、いろんな実験をやっています。まあ、1つ例を出せば、タンパク質と核酸(DNAや RNA)間での相互作用を定量化するという実験があります。タンパク質と核酸が相互作用するとき、どこにどんな官能基があれば結合力が強くなるか、特異性
が高くなるか、こんなこと誰も知りません。でも、パラメータがあればある程度予測できる。それを作るための実験ですね。」

 

武本「その研究の展望・可能性は?」

川上「そういった基礎研究を繰り返すことで、どんな実験にも適用できる数値を出せれば、薬を作ることが容易になると考えています。創薬の知識が少ない人で
も、標的の物質に結合できる化合物を構造からだいたい設計できる。そうすると薬を開発する時間が格段に短くなると考えています。」

 

武本「短くなるとどのようなことがあるのですか?」

川上「コスト削減に繋がります。お薬を作るには、お金がとてもかかります。会社がやっていくには、たくさん患者がいる病気の薬を創らなくてはいけません。でも、そうしたら患者数が少ない病気の薬は創られなくなりますよね?」

 

武本「それは、その病気になった人は困りますよね。」

川上「でしょ?もし、パラメータによって薬を創ることが簡単になれば、そういった方々のためになると思います。」

武本「なるほど!」

 

先生の研究についてはここまで。ここからは、武本さんや須賀さんが質問をしていきます。

武本「最近iPS細胞が話題になっていますよね。もし、iPS細胞が医療において活躍するようになったら薬の立ち位置ってどうなるのでしょうか?」

 

さすが武本さん、今話題のiPS細胞を挙げてくるとは。とても記事にしやすいです。

 

川上「特に変わらないと思う。どんな細胞にも分化できるiPS細胞は、再生不可能とされた器官の再生が可能で、失われたものを取り戻すことができる。それ に対して薬は、異常になっている状態を、平常に戻すという役割を持っている。この2つはコンセプトが根本から違うから、別々に進歩していくと思う。ただ、 iPS細胞は自分由来の細胞から作られているから、免疫系の攻撃を受けない。それを活かして移植に利用されたら、免疫抑制剤を飲まなくて済むなんてことは
あるだろうから、全く関係なくはないけど。」

武本「ああ、そうか」

 

須賀「大学で勉強するようになって、高校とのギャップを強く感じます…。高校の時は、物理でのこういう勉強、化学でのこういう勉強って分野をしっかり分けて学んで、別のことと考えていました。でも、大学に入ったら物理とか化学とか生物とかそんな枠組みが全くなくて。」

川上「枠組みなんて大学に入ったらなくなってしまうからね。大学の勉強や、研究には色んな分野の知識が必要になる。あんまり分野に捕らわれず、ひろーく勉強したらいいよ。あ、こういうこと高校生にも知ってもらいたいから記事に書いてよ。」

 

書きました。

高校までの勉強って、便宜的に決められた枠組みの中で勉強している感じがありますね。それに比べ、大学は興味あることを知るためには広い知識も必要になっ
てきます。大変そうにも感じますが、世界が広がってとても楽しいとも思えます。せっかく大学に入ったんだから、思いっきり色んな学問に触れるのもキャンパ
スライフのまたひとつの楽しみ方ではないでしょうか。


次回予告

さーて、次回のラボ取材は…?

武本です。取材ってとても大変なことがわかってきました。会話は続かないし、シンプルに説明をするのもとても難しいです。早く上手に取材したいです。さて次回は、「三好先生に突撃取材」「武本、笑ってごまかす」「カメラ連射と先生のキメ顔」の3本です。

お楽しみに!