本日まで、甲南大生協ポートアイランドキャンパス店では、アイスクリーム15%OFFキャンペーンが実施されていました。
が、15%OFFになるには条件があります。それは気温が29℃を超えること。この条件をクリアすれば午後1時からキャンペーン価格となります。
毎日蒸し暑いと思うのですが、なかなか超えないんですよ、これが。絶妙な設定でね、29℃というのが。店長は、保険会社に向いてるんじゃないかな、と思うくらいですよ。
連日、アイスクリームの前でがっくりきている学生の姿が見られました。
水曜日と木曜日の午後は2年生実験(ナノバイオラボ1A)。
今日はその中から、機器測定をしているところをご紹介します。
これは赤外吸収スペクトルを測定しているところ、つまり、ある物質がどんな波長の赤外線をどのくらい吸収しているか、を調べているところです。
何のためにそんなことを調べているかといいますと、分子というのはいくつかの原子が結合してできているのですが、赤外線にはその結合を振動させる働きがあるのですね。で、結合の種類によって(例えば、炭素原子と水素原子の結合とか、水素原子と酸素原子の結合とか)、吸収する赤外線の波長が違うんですね。ということは、吸収する赤外線について調べれば、その分子がどんな結合をもっているかわかる、つまり、物質の構造がわかる、というわけなんです。
彼女たちは、自分たちが合成したり(つくったり)精製したりした物質の構造を調べているところなんですね。
これは蛍光を測定しているところです。2年生たちは、蛍光色素をくっつけたペプチドを合成しているのですが、蛍光の強さを測定することによって、溶液中にどれくらいの量のペプチドが溶けているか、つまりどれくらいの量のペプチドをつくることができたか、調べているのです。
これは核磁気共鳴スペクトルを測定しているところです。これも赤外吸収スペクトルと同様、分子の構造を調べる装置です。奥に見える銀色の筒の中には液体ヘリウムで冷やされた超伝導磁石が入っています。詳しい原理は難しいので省きますが、この磁石の中に物質を入れて電磁波の照射し、どんな波長の電磁波を吸収するかを調べると、分子の構造が分かるのですね。
このように分子の構造や量を調べることは、からだの中のしくみを調べるにも、医薬品をつくるにも、診断試薬をつくるにも、環境汚染を分析するにも、新物質や新素材をつくるにも、どんなことをするにも欠かせない要素技術です。
非常に大事な技術なのでFIRSTでは2年生という早い時期に習得してもらっています。普通はNMRのような高価な(ウン千万)装置は4年生以上にしか使わせないことが多いのですが・・・実験しているみなさん、絶対に壊さないでね。
5月末の梅雨入りから2週間がすぎましたが、今年はまだあまり雨が降っていません。その代わり、ここ数日は真夏のような暑さです。暑い日が続くと、もう少し雨がふればいいのにと思うこともありますが、雨が降ったら降ったで、ジメジメして嫌な季節ですね。
こんな季節には綺麗な花を咲かせる植物も少なくなりますが、一つだけ雨が似合う花がありますね。そう、紫陽花です。紫陽花の美しさはやはりあの青やピンクの微妙な色調にあると思うのですが、あの色もその実態は化学です。青い花も赤い花も、含まれる色素はアントシアニンの一種で同じものですが、酸性の土では青い花が、アルカリ性の土では赤い花が咲きます。面白いことに、アジサイに含まれるアントシアニンという色素は、それだけを取り出してみると、酸性では赤、アルカリ性では青になります。土の酸性アルカリ性と花の色の関係とは逆なんですね。
調べてみると、花の色が青くなるのは、アントシアニン以外にアルミニウムイオンがある時なんだそうです。土が酸性だと、花の中にアルミニウムイオンがあって、アルカリ性だとアルミニウムイオンがない。これはなぜだか分かりますか? これもまた、化学の現象です。
アルミニウムイオンは、酸性ではAl3+というイオンですが、アルカリ性では水酸化アルミニウムになってしまうため、根から吸収されなくなるんですね。だから、酸性の土では花の中にアルミニウムイオンがあって、アントシアニンと錯体を作って青くなるというわけです。
花の色も化学で説明できるのは、何だか面白いと思いませんか?
ところで、アジサイは日本原産の植物ですが、もともと日本に自生していたものはこの写真にもあるようなガクアジサイだったそうです。これがヨーロッパで改良されて、よく見かけるホンアジサイになったということです。それを知ってから見ると、なんだかホンアジサイは派手な西洋美人に、ガクアジサイはの清楚な大和撫子のような気がしてきました・・・
写真は、先日ランチバイキングを紹介した神戸花鳥園のアジサイ展の様子です。
月末までしているようですので、お時間があれば皆さんも是非訪れてみてください。