科目名 | 生物無機化学 |
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配当年次 | 2年次(D期) |
単位数・科目 | 2・選択 |
曜日・時限 | 月曜1限、金曜1限 |
担当教員 | 藤井 敏司 |
講義方法 | 講義 |
概要 | 生物は核酸、アミノ酸、タンパク質などの有機物を主成分としているが、多くの重要な生体反応過程において、金属イオンが必須因子として関与している。また、自然には生体中にみられない金属イオンが治療薬、診断薬として用いられている。生物無機化学はこのような生物中にある金属イオンの振る舞いを対象とする化学と生物学の接点にある境界領域の学問であり、合成化学、分子分光学、電気化学、理論化学、生化学、分子生物学など幅広い領域に関係する。本講義では、生物無機化学を理解するうえで重要な化学・生物学の基礎及び応用について概説する。 |
講義の目的と学生の理解・達成目標 | ・配位化学の基礎について理解する ・タンパク質や核酸と金属イオンの相互作用を調べる物理化学的手法に馴染む ・電子移動、加水分解、酸化還元の各反応の基礎を理解する ・金属イオンが関与する疾病、薬剤についての基礎を理解する |
関連学問 |
生物 化学 物理 |
関連分野 |
生命 環境 医療 創薬 新素材 ファインケミカル 分析 エレクトロニクス 食品 マネジメント |
成績評価 | 試験(70%)、レポート(30%) |
講義構成 |
1.序論「生物無機化学」とは 2.無機溶液化学の基礎 HSAB理論・安定度定数 3.配位化学の基礎1 電子配置と立体構造・配位子場安定化エネルギー 4.配位科学の基礎2 配位子置換反応、電子移動反応 5.生体分子の性質 タンパク質・核酸・金属結合生体分子 6.物理化学的手法1 X線、電子及び振動分光法 7.物理科学的手法2 磁気共鳴、酸化還元電位 8.酸素運搬タンパク質1 ヘモグロビンの生化学 9.酸素運搬タンパク質2 ヘモグロビンの生物無機化学 10.酸素運搬タンパク質3 ヘムエリトリン、ヘモシアニン 11.電子伝達と金属タンパク質1 酸化還元反応、光合成 12.電子伝達と金属タンパク質2 生体エネルギーと細胞呼吸 13.酸素添加酵素1:酵素の性質、有機物の酸化反応 14.酸素添加酵素2:ヘム型酸素添加酵素 15.酸素添加酵素3:非ヘム型酸素添加酵素 |
教科書 | 「生物無機化学」S. J. Lippard & J. M. Berg著(松本和子監訳)、東京化学同人 |
参考書・資料 | 「生物無機化学―金属元素と生命の関わり」増田秀樹ら著、三共出版 |
備考 | 生物無機化学は、無機化学、生化学、物理化学、微生物学、生理学など非常に多様な学問の境界領域にある学問です。生命中の金属イオンの働きを中心に生命現象の多様さ、その仕組みの素晴らしさに触れてみましょう。 |