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A期末試験が終わりB期がスタート 〜A,B期ってなに?〜

フロンティアサイエンス学部(FIRST)では、一部のカリキュラムをクォーター制で実施しています。

クォーターとは4分の1の意味。

大学の授業は前期・後期の2学期制で実施されることがほとんどですが、FIRSTでは一部の専門科目をA期・B期・C期・D期の4学期制(クォーター制)に分け、期間が短くなる代わりに週2回、授業を実施しているのです。

なぜか?

高校までは科学の授業は週に何回もありましたよね?

それが大学に入った途端、「1つの科目につき授業は週に1回」になってしまいます。

前回の内容を忘れてしまうのではないか? 忘れないうちに次の授業日がやってくる方がいいのではないか?

ということで、FIRSTでは設立時から、基幹となる専門科目をクォーター制で実施し、週2回の授業によって集中的に学修することにしているのです。

試験についても学生さんにメリットがあると考えています。

半期の最後に試験があっても最初の方の内容は忘れてしまっていますよね(おそらく)。

クォーター制なら授業全体の内容を把握しやすいといえるでしょう。

また、1回の試験期間の試験科目数も半分になりますので、その意味でも集中的に専門科目を学修することができるといえます。

クォーター制については過去の記事でも紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。

【クォーター制(4学期制)】

https://www.konan-first.jp/blog/archives/1065

【クォーター制の利点】

https://www.konan-first.jp/blog/archives/272

【難しいけど優しい?! FIRSTの定期試験(セミナー、生協、クォーター制)】

https://www.konan-first.jp/blog/archives/222

 


学生による“鶴岡先生”インタビュー 〜2〜

フロンティアサイエンス学部・学生広報委員がによる教員インタビュー第1弾「無機光化学研究室・鶴岡孝章先生」のPART2です。

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(PART1からつづく)

 

次に研究について聞いてみましょう。

☆研究テーマはどのようにして見つけるのですか?

「『面白い、興味があるというテンションが上がるテーマ』と『上手くいくようなテーマ』をいくつか用意しておくこと。直感でこれは面白そうだと思うものは、たくさんの裏付けがされていないということなので、上手くいかないことの方が多い。それだけでは研究は楽しくないので、得意でかつすでにいくつかの知識をもって上手くいきそうなものも選んでおくことでモチベーションを維持できる。これが秘訣ですね。」

☆先生の研究経歴は?

「研究室に入った当初は半導体のナノ粒子の研究を行い、現在は、教員になる前に博士研究員であったときに身に付けたことを生かして研究をしています。」

☆それは、ざっくりいうとどんな研究ですか?

「金属イオンと有機物の柱を用いて目的の物質を中に閉じ込めるような空間を作る研究を行っています。」

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「この構造体は金属有機構造体(MOF)と呼ばれ、直方体状の構造体(上の図)の他にもサッカーボール状の構造体(下の図)などがつくられています。」

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分子とイオンで建築物をつくっているみたいですね。

☆この構造体は何かの役に立つのですか?

「目的物質の回収、除去、分離が可能です。例えば、大気中から二酸化炭素を回収して地球温暖化の抑制に役立てたり、近年、水素などを閉じ込めて燃料として使いやすくしたりすることができます。」

「水素はクリーンな燃料として注目されているのですが、気体ですから密度が小さく、燃料として使用するためには、ぎゅっと集めることに労力を割かなければならないんです。また、普通のやり方で集めたとしても小さいエネルギーしか生み出せないという欠点がある。でも、この構造体に気体を回収できるような性質を付与することで、水素ガスそのものを密度を高くして扱うことが可能となり、より高いエネルギーを一度に得ることができるようになるんです。それ以外にも、環境中から有毒な物質を除去したり、匂い物質や水質汚染物質を除去するなどの応用が期待されています。」

規則正しい見た目が美しいだけでなく、とても役に立ちそうですね。

☆どうやってこのような構造体をつくるのですか?

(PART3に続く)


学生による“鶴岡先生”インタビュー 〜1〜

インスタグラム(@konan_first)では先行して当日の様子をお伝えしていますが、フロンティアサイエンス学部・学生広報委員による教員インタビュー第1弾は、無機光化学研究室の鶴岡孝章先生にお話伺いました。

担当してくれた広報委員は1年生の「れい」さんと「りょうま」さんです。

二人の紹介もインスタグラム(@konan_first)に投稿していますので、そちらもぜひご覧くださいね。

入学して1ヶ月足らずという4月にインタビューしてくれたのですが、研究についても驚くほど深く取材してくれました。

何回かに分けて紹介していきます。

では、鶴岡先生インタビューのPART1です。

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〜はじめに〜 

今回、無機光化学研究室・准教授の鶴岡孝章先生にお話を伺いました。私たちは、4月にナノ分野の学生実験を鶴岡先生から指導していただきましたが、研究や趣味の話をするのは初めてでした。みなさんにも、少しでも鶴岡先生のことが伝わればと思い、この記事を書きました。

鶴岡先生を初めて見た方は、背が高くて体の大きな先生だなあと思われると思います。体が大きいだけでなく、アスリート感がするというか・・・。まずはそのあたりからお聞きしました。

☆先生は何かスポーツはされていましたか?

「高校時代は野球をやっていました。野球一家でスポーツばかりをやっていましたね。」

(ちなみに、お兄さんは元・プロ野球選手だそうです!)

☆日頃の体調管理で気をつけていることはありますか?

「フランスに留学することをきっかけに、病気に罹らないように運動を始めました。平日は朝5時から1時間運動。オートミールを食べたり、プロテインを飲んだり、体調管理を意識した食事をしています。これは体調管理という意味もありますが、休日などの他人と過ごす時間にカロリーを気にしなくてもよいように、ということもあります。」

☆趣味は?

「今となっては野球はしないので、お酒を飲みながら野球観戦。お酒は苦いのがよく、体調管理の観点からおつまみはあんまり口にしません。」

鶴岡先生がアスリートに見える影には、厳密な体調管理があったのですね。大学で化学を教えられているくらいですから、学生時代から化学は得意だったのでしょうか。

☆高校の時の得意科目は?

「化学です。唯一そんなに勉強しなくてもテストでよい点数を取れたのが化学でした。」

唯一は謙遜だと思いますが、やっぱり化学は得意だったのですね。

「もう1科目は物理を選択。当時は、生物にはあまり関心がなかったので・・・。」

今では生命化学科の先生なのですが、高校時代は生物は選択していなかったのですね。

☆大学の先生になろうと思ったのはいつですか?

「大学4年生になって研究室配属したとき、ですね。誰も知らないこと、誰に聞いても答えが返ってこないことを研究したいと思い、自分の好きなことがすぐできるという職業が、企業への就職ではなく、大学の先生だったんです。」

将来の夢が見つかって道が開けるなんて、すごく運命的な研究室配属だったんですね。

次は研究について聞いてみましょう。

(PART2に続く)


1年次実験<基板表面改質>

火曜日は1年生の学生実験(実験実習)。

1年生の学生実験は、バイオ、ナノ、ナノバイオ、ケミカルの4分野にわかれて行われていて、前期はそれぞれ、「細胞培養」「基板表面改質」「緩衝液」「クロマトグラフィー」がテーマになっています。

学生は半期をかけて、この4つのテーマすべてに、順番に取り組みます。

生物学から化学まで幅広い分野の知識と実験技術を身につけるわけですね。

今回は「基板表面改質」の実験内容について紹介します。

みなさんは、紙のように折りたたんだり、くるくると丸めることができる液晶ディスプレイを見たことがありますか?

そのようなフレキシブル(柔軟な)ディスプレイをつくるには、やらわかいポリマーフィルムの表面を改質して、電気が通るようにしてあげる必要があります。

そんな表面改質に取り組むのがこの実験テーマです。

実験の様子(動画)は、こちらをクリックしてご覧ください【 動画 】

具体的には、化学反応によってフィルムの表面を少しだけ分解させて、金属イオンを捕まえる「手」を露出させます。

その「手」に吸着させた金属イオンを還元させる(金属イオン→金属そのものに変化させる)ことで、やわらかいポリマーフィルム表面に電気が通る性質(導電性)をもたせることができます。

表面改質1

(金属イオンを含む溶液につけた後、還元することで、フィルム表面を金属でコーティングすることができる。もとのファイルは右上のような薄茶色をしているが、銀(右中央)や銅(右下)で覆われたフィルムは光沢が生じている。)

この実験では最初、表面全体を導電化していますが、後半は、つまようじを使って試薬を付けることで表面の一部分だけを導電化しています。

ディスプレイなどを作る際には、フィルム表面に非常に細かくナノメートルの精度で回路(配線パターン)を描く必要があるわけですが、つまようじを使って試薬で絵を描くことで、配線パターンをつくるイメージを体験していただいているわけですね。

表面改質2

(つまようじで部分的に試薬を付けることで、狙ったパターンの導電化を行った例。銀色の光沢がある部分のみが銀で被覆、つまり、導電化されている。)

なお、実際のナノテクノロジーでは、試薬を付けたスタンプを押し付けるなどの方法で、パターン作製が行われています。

フロンティアサイエンス学部の学生実験は、インスタグラム(@konan_first)でも紹介しています。


7月2日(土)〜授業公開型オープンキャンパス(Weekday Campus Visit)〜

フロンティアサイエンス学部で今年度も実施する、授業公開型オープンキャンパス、ウイークデイ・キャンパス・ビジット(WCV)。

高校生・受験生のみなさんに「普段の大学」を体験していただくイベントです。

WCVの説明はこちら

7月2日(土)の内容は以下の通りです。

■開催日時:2022年7月2日(土)9:30-15:50 (9:00受付開始)
■場  所:甲南大学ポートアイランドキャンパス
(ポートライナー 計算科学センター駅下車 徒歩4分)
 交通アクセス:https://www.konan-first.jp/access/
■参 加 費:無料(※本学までの交通費、昼食代は自己負担になります)
■募集人数:5名 (先着順・事前申込制)
■詳細・申し込み方法:https://entry.s-axol.jp/konan-u/?f=10
 Webサイトのお申込みフォームよりお申込みください (締切:7月1日16時)
■当日のプログラム(予定)
   9:00-  9:30  受付
   9:30-10:30  ガイダンス
 10:40-12:10 以下の講義を受講
  ・「ナノサイエンス序論」
  ・「ナノテクノロジー」
  ・「有機合成化学」より1つを選択

 12:10-13:00 昼食
 13:00-15:00 「研究室で実験体験」 
 15:20-15:50 振り返りワーク
 
皆様のご参加、心よりお待ちしております。

[感染症対策について]
・来学時は、必ずマスクの着用をお願いいたします。
・ポートアイランドキャンパス西出入口での手指のアルコール消毒に協力願います。
・イベント参加当日に、37.5℃以上の発熱や倦怠感などの症状、または発熱の有無にかかわらず咳などの症状や体調がすぐれない場合は、参加はできませんので事前に検温してください。
・参加後7日以内に新型コロナウイルス感染症の検査結果が陽性、もしくは保健所から濃厚接触者と判断された場合は、本学ポートアイランドキャンパス事務室へ必ずご連絡ください。
・新型コロナウイルス感染症拡大の状況により、急きょ実施を見合わせる可能性がありますのであらかじめご了承ください。
キャンセルされる場合は、恐れ入りますが、 下記のお問い合わせ先にご連絡ください。
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■受付・お問い合わせ先
甲南大学ポートアイランドキャンパス事務室
 TEL:078-303-1457 (直通)
【窓口開室・電話対応日時】月曜日~金曜日 9:00-17:00
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